家康と正信
発売日
2003年05月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57942-9

家康と正信
戦国最強の主君と補佐役

著者 童門冬二著 《作家、日本文芸家協会会員、日本推理作家協会会員》
主な著作 名家老列伝』、『男の論語』(PHP研究所)
税込価格 649円(本体価格590円)
内容 徳川家康を天下人にし、二代将軍秀忠の執政としても手腕を発揮した天才参謀・本多正信。「水魚の交わり」といわれた最強コンビの物語。



 徳川家康の陰のブレーンとして、その知謀を天下取りのために如何なく発揮した本多正信。79歳で没するまで、約40年という歳月を家康の頭脳の一部として送った彼は、まさしく真の補佐役だったといえる。三河一向一揆で主君に反旗を翻した男が、流浪の日々を経て帰参したのは、40代になってからであった。自らを不忠の臣とする思いを払拭できない彼は、その後は家康を主人としてではなく、師として仰ぐことを誓い邁進する。甲州計略、江戸の町づくりと家臣の知行割りなどに手腕をふるい、君臣の二人三脚は「水魚の交わり」といわれるまでにいたる。そして、豊臣氏から天下を奪い、徳川幕藩体制を盤石なものに築き上げていく。

 本書は、一度は背いた男を最高のパートナーにした主君と、献身的な忠誠で才能を遺憾なく発揮し続けた補佐役の生涯を、歴史に取材しつつ“組織と人間”の問題を描き続けてきた著者ならではの筆致で、みずみずしく描いた歴史小説である。