悲鳴をあげる身体
発売日
1998年10月21日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-60309-4

悲鳴をあげる身体

著者 鷲田清一著 《大阪大学文学部教授》
主な著作 『じぶん・この不思議な存在』(講談社現代新書)
税込価格 723円(本体価格657円)
内容 いま身体がアブない。拒食・過食、ピアッシング、性の萎縮などの現象を通して、「私の身体は私のもの」という自明性を問い直す哲学。



 ボディ・ピアシング、拒食・過食、ゆがめられ萎縮する性。本来なら、ひとを癒し、快くするはずの行為が、身体への攻撃として現象している現在。本書では、専門の現象学研究に加え、モード批評などで活発な言論活動を展開し、最近では臨床の知としての「臨床哲学」を提唱する著者が、このような身体状況を濃やかに描写する。

 
●第1章 パニック・ボディ
●第2章 からだの経験
●第3章 からだの幸福
●第4章 生の交換、死の交換
●第5章 からだのコモンセンス
●第6章 <ゆるみ>と<すきま>

 著者は、私たちの身体は、今、一方では<私>という個の中に閉じ込められ、また、一方では<私>という存在から遠く隔てられているという、引き裂かれた状態にあるという。では、そもそも身体に深く浸透しているはずの<智恵>や<想像力>、そして<他者との関わり>の中にある身体性の回復はいかにして可能か。リアルな問いを投げかける一冊。