知性としての精神
発売日
2000年06月08日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-61188-4

エンゼル叢書4
知性としての精神
プラトンの現代的意義を探る

著者 渡部昇一
松田義幸
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 人間ルネッサンスの時代が来た。現代人が科学思考の束縛から離れ、精神の自由を勝ち取るためのプラトン的思想を心余すことなく説く。



 現代は迷妄の時代に入っている。その一端は、西欧合理主義に代表されるアリストテレス的思考に重きを置きすぎ、精神や魂といったものを非科学的として遠ざけすぎたからではないだろうか。

 本書は、人間の精神や霊魂を真剣に考察したプラトン哲学の大切さを真正面から取り上げるものである。

 第一部では、人間はそもそも理性と精神を持つ唯一の知的存在として誕生し、それゆえ言語が発生したとする『言語起源説』を紹介する。そして、理性と精神性を併せ持つ人間ならではの「知性の正しいあり方」を哲学的に論考する。中でも「精神的存在としての天使」についての考察は一読に価する。第二部では、人類にとって初めての精神復興の時代であったルネッサンスについて言及し、プラトンが求めた「真善美」の世界を追求することの素晴らしさを紹介する。まさに、現代社会が見失った人類の英知とも言うべき、プラトニズムの学問的価値を甦らせる貴重な一書である。