「商い」から見た日本史
発売日
2000年10月05日
判 型
B6判変型上製
ISBN
978-4-569-61321-5

「商い」から見た日本史
市場経済の奔流をつかむ

著者 伊藤雅俊
網野善彦
斎藤善之
主な著作 商いの道』(PHP研究所)
税込価格 1,430円(本体価格1,300円)
内容 中世から近世・江戸時代、商いは日本の繁栄を作り出してきた。江戸商人の流れを汲むイトーヨーカ堂の創業者が、受け継がれてきた精神を繙く。



 日本の商いは千年の歴史を持つ。この国に繁栄をもたらし続けたのは商人の力である。

 本書ではイトーヨーカドー・グループの創業者と日本を代表する歴史家が、商いの真髄を語り合う。

 日本の商いの「形」はどのように形作られ、今に受け継がれたのか。「中世の商いは神と共にあった」と網野氏は語る。例えば「聖なる場所で商品は取引され、利息は神仏に対するお礼として支払われていた」と紹介する。さらに「卸・小売のネットワークは中世に成立し、全国津々浦々に都市が出現していた」と、インフラの充実振りを解き明かす。一方斎藤氏は、江戸後期には民間の海運企業が活躍し、彼らの中には外交官的役割をこなす人物も存在した」「彼らはそれぞれの地域の消費需要に対応し、特産品を全国に広め日本経済を活性化させた。市場経済の確立がなされていた」と主張する。

 お上頼りではなく、市場の原理でビジネスしていた先達に、商人の生き様を学ぶ書。