人物 中国五千年⑥
発売日
2001年09月19日
判 型
A5判上製
ISBN
978-4-569-61824-1

人物 中国五千年⑥
異民族王朝と近代の黎明[宋・元・明・清・現代]

著者 西野広祥責任編集 《東北公益文科大学教授》
税込価格 3,080円(本体価格2,800円)
内容 盛衰きわまりない中国王朝史を、英雄豪傑、名君賢人たちの魅力溢れるエピソードで綴るシリーズ完結編。宋の時代から現代まで歴史を体現した者たちのドラマ。



 大分裂を統一した文治主義の宋。草原の覇者モンゴルの元。貧農から皇帝へ駆け上がった朱元璋の明。最大版図を蚕食される清。そして現代。近代中国への栄光と慟哭の歩みを著した本書第六巻。中国王朝の興亡、盛衰を人物で語るシリーズ、完結編。

 中国王朝はつねに諸外国から圧迫されてきた歴史といえる。近世まで、異民族国家はみな遊牧国家であった。農耕民族である漢民族国家の兵は騎馬が苦手であり、そのため多数の民を擁する漢民族国家が少数の兵にすぎない異民族国家に苦しめられてきた。しかし、異民族国家は武に強い反面、文に弱い。そのため、異民族国家は中国侵略に成功しながら、その多くが久しからずしてその支配に行き詰まったり、漢民族化したりして、消えていった。「中華思想」も異民族に対する文化的優位を示すために生まれたのである。

 本シリーズは、中国の歴史を人間の側面から描いてきたが、それは民族と民族が相争う壮大な物語であった。