書籍

- 発売日
- 2002年03月13日
- 判 型
- 四六判上製
- ISBN
- 978-4-569-62065-7
海ゆかば 山ゆかば
日本人と軍歌
著者 | 林秀彦著 《脚本家》 |
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主な著作 | 『「みだら」の構造』(草思社) |
税込価格 | 1,540円(本体価格1,400円) |
内容 | 軍歌を知らずして、日本人を語るなかれ――。軍歌の底流に流れる日本人の豊かな感性に焦点を当てながら、その美意識について再考する。 |
火筒の響き遠ざかる 跡には虫も声立てず 吹き立つ風は生臭く 紅染めし草の色
そもそも日本の軍歌と呼ばれる歌の数々は、あの厳しい大東亜戦争末期に至るまで、後年の人が誤解するような暗いイメージはなかった、と著者は言う。むろん、戦意を昂揚させる意図が露骨な歌詞もあったが、それらの言葉ですら美しい単語が厳選され、日本人でなくては成し得ない美意識が貫かれていた。
『海ゆかば』を知らない若者の多いことほど無念なことはない」と著者は嘆く。この大伴家持の歌には「戦う」という言葉も「勝つ」という言葉もない。全体としての意味は、この身を犠牲にしてもなんの迷いも後悔もないという、まるで恋をしている若者のように心身を捧げんがための歌である。
軍歌を通して見えてくるのは、日本人が「量の文明」ではなく、「質の文明」を希求した民族だということである。「軍歌=ウヨク」という固定観念を覆し、日本人とは何かを問う斬新な日本文化論。
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