静かなる戦争(下)
発売日
2003年06月26日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-62722-9

静かなる戦争(下)
アメリカの栄光と挫折

著者 デービッド・ハルバースタム著
小倉慶郎訳
三島篤志訳
税込価格 1,980円(本体価格1,800円)
内容 アメリカという巨大な権力機構の内幕とは。ホワイトハウスの真実、大統領と軍の権力闘争など、丹念な取材をもとに生々しく描く。



 無難に外交問題をこなしたかに見えたクリントンだったが、ハイチ、ルワンダ、さらにはバルカンで更なる紛争の火種が燃え盛ろうとしていた。空爆に踏み切るべきか否か。政府内の葛藤に加え、ヨーロッパ諸国対アメリカという新たなる覇権争いも浮上する。

 しかしクリントンは、そうした重要な外交問題に全力を傾注することができなかった。なぜなら、自分自身の致命的なスキャンダル、モニカ・ルインスキー事件が起きていたからである。

 政権を揺るがす大事件にマスコミは沸き立った。しかし、国民はむしろマスコミを敵視した。クリントンの不思議な強運は、この障害をみごとに乗り越えたのである。

 下巻はクリントン政権から、現ブッシュ政権の誕生までを描いている。本書はあの9.11テロ以前に書かれた本であるにもかかわらず、新しい戦争の形としてテロ組織の登場を予言し、またフランスのアメリカに対する造反を見通すなど、多くの示唆に満ちている。