聖徳太子虚構説を排す
発売日
2004年08月27日
判 型
新書判上製
ISBN
978-4-569-63827-0

聖徳太子虚構説を排す

著者 田中英道著 《東北大学教授、「新しい歴史教科書をつくる会」前会長》
主な著作 『国民の芸術』(扶桑社)
税込価格 1,320円(本体価格1,200円)
内容 まことしやかに流布される「聖徳太子虚構説」に、美術史の観点から徹底反証。的確な分析から聖徳太子の歴史的意義が浮かびあがる!



 「聖徳太子は伝説に過ぎない。あくまで虚構の存在である」という説が、近年まことしやかに流布されている。しかし、それは本当に正しいのだろうか。

 決定的な物証となる発見が、近年発表された。それは、法隆寺の五重塔の心柱が594年に伐採されたものであるということが、年輪年代測定によって明らかになったことである。これまで、法隆寺は670年に完全に焼失し、それ以降に再建されたという説が定説のようになっていた。この心柱の年代は、その説に重大な疑義を提起するものなのである。

 さらに著者は、美術史学の立場からも切り込む。仏像や建築物の様式を検討するならば、やはり法隆寺の建築や仏像は、どうしても飛鳥時代のものとして考えざるをえないのである。

 であるならば、それを作ることを命じたのは誰か……。

 本書は、文献学的な見地やイデオロギー的意図から貶められている聖徳太子に新たな光を投じ、歴史の真実に迫る必読の一冊である。