峠越え
発売日
2005年08月05日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-64323-6

峠越え

著者 山本一力著 《作家》
主な著作 『だいこん』(光文社)
税込価格 1,760円(本体価格1,600円)
内容 女衒の新三郎と壷振りおりゅうが命を賭けた大イベント「江島神社裸弁天出開帳」の首尾やいかに。江戸の本所深川から始まる傑作時代小説。



 時代小説で泣かせる作家・山本一力の新境地。魅かれあう男と女が、人生仕切りなおしをかけ、苦難を乗り越えていく物語。主人公は、女衒の新三郎と壺振りおりゅう。

 江戸深川の裏店に住む新三郎は、仕事で不始末をしでかし旅に出る。旅先でおりゅうと出逢ったことが、新三郎の人生を大きく変えることに……。二人で新しい人生を始めるため、おりゅうが考えたのは、江島神社の裸弁天を江戸へ持ってきて公開する「出開帳」だった。成功すれば何千両もの拝観料が手に入り、堅気に戻ることもできる。乾坤一擲の大勝負の首尾やいかに。次々と襲う難問に対し、新三郎の器量が問われ、おりゅうの知恵が窮地を救う。

 苦労を重ねるうち、肚の据わったいい男になっていく新三郎。二人が新たなる旅に出る物語後半には、「様子のいい大人」が続々登場。道中でのハプニングに一喜一憂しながら、気がつくと二人と共に人生の峠越えをしている気分になる。共感と感動の傑作時代小説。