松平春嶽(しゅんがく)
発売日
2003年10月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66060-8

松平春嶽(しゅんがく)
「幕末四賢侯」と称された名君

著者 中島道子著 《作家》
主な著作 前田利家と妻まつ』(PHP研究所)
税込価格 755円(本体価格686円)
内容 「幕末四賢侯」の一人に数えられる福井藩主・松平春嶽。徳川慶喜と力を合わせ、時代の流れと闘い続けた男の生涯を活写した力作長編。 



 黒船来航を機に徳川二百数十年の太平が揺らぎ、倒幕運動が高まりをみせた激動の時代、「幕末四賢侯」と呼ばれる4人の賢君が登場し、政局の中心にあって活躍した。土佐の山内容堂、薩摩の島津久光、宇和島の伊達宗城、そして越前福井藩・松平春嶽である(4人の選定には諸説あり)。

 とりわけ本書の主人公・松平春嶽は、徳川親藩の藩主として最後の将軍となる徳川慶喜と協力、文久二年には政事総裁職として幕政改革に着手している。しかし倒幕への時代の流れはとどめること叶わず、大政奉還を経て、ついに鳥羽・伏見の戦いで幕府側は「朝敵」として敗れる憂き目に遭ってしまう。そのとき、春嶽の胸中に去来した思いとは――。

 福井県出身の女流作家が、春嶽の少年時代から筆を起こし、同時代を生きた様々な英傑との関係を軸に、激動の只中を歩んだその半生を描いた長編小説。著者ならではの想像力で、みずみずしい春嶽の人物像を見事造形した力作! 文庫書き下ろし。