小説 信玄と諏訪姫
発売日
2006年09月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66683-9

小説 信玄と諏訪姫

著者 中島道子著 《作家》
主な著作 山内一豊と妻千代』(PHP研究所)
税込価格 817円(本体価格743円)
内容 戦国の雄・武田信玄とその側室・諏訪姫。一子・勝頼をもうけながら、ついに心を寄り添い得なかった男と女の悲劇を描いた力作小説。



 戦国の雄・武田信玄が甲斐から信濃への版図拡大に踏み出したとき、真っ先に攻略対象とした諏訪頼重には美貌の姫があった。諏訪氏滅亡後に信玄の側室となり、一子・勝頼をもうけるものの、若くして世を去った「諏訪御寮人」……。謎に包まれたこの女性は、果たして父の敵を愛し得たのか? 本書は、信玄と諏訪姫、そして信玄の謀臣である山本勘助三者の数奇な関係を軸に、自由な想像力で乱世に生きた男と女の情念の機微、運命の綾をあざやかに描いた長編小説である。

 一目で諏訪姫を愛してしまった信玄と、なかなか心を開けない諏訪姫。そんな姫に密かな恋心を抱く山本勘助や、信玄を鉄砲で付け狙う諏訪氏の遺臣・茅野紳四郎といった男たちに見守られながら、諏訪姫はついに信玄の愛を受け入れることなく逝く。乱世ゆえの男と女の悲劇のかたちが、みごとに物語化されている。2007年NHK大河ドラマ「風林火山」の人間模様が活写された力作。

 文庫書き下ろし。