戦国の「いい妻」「ダメな妻」
発売日
2009年01月05日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-67160-4

戦国の「いい妻」「ダメな妻」

著者 中島道子著 《作家、日本ペンクラブ会員》
主な著作 『濃姫と熈子』(河出書房新社)
税込価格 681円(本体価格619円)
内容 戦国武将の妻たちは乱世をいかに歩んだか? お市の方、細川ガラシャ、築山御前など、史上に著名な女性11人の人生を読み物風に紹介。



 お市の方、春日局、細川ガラシャなど、戦国武将の妻として著名な女性は数多いが、「良妻」か「悪妻」かの評価は分かれるところだろう。

 たとえば、夫を支えて乱世に大成したとされる豊臣秀吉の妻おね(北政所)と前田利家の妻まつ(芳春院)だが、おねは悪妻で、まつは良妻と著者は評する。貧しい時代から秀吉と二人三脚で歩んできたおねではあるが、最後には徳川家康の甘言にのらされ、結果として豊臣家を滅亡へと導いてしまった。一方、まつは、家康にかけられた前田家謀叛の嫌疑を解消するために高齢の身を押して江戸への人質を買ってでたり、利家が侍女に生ませた子を敢えて長男の息子に迎えるなど、お家大事を見事に貫いた。

 本書は、様々な境遇を懸命に生きた11人の戦国の妻たちをとりあげ、それぞれの生涯を読み物風に描きながら、「いい妻」「ダメな妻」の理由もズバリ示した、ユニークな歴史エッセイである。

 文庫書き下ろし。