幕末に散った男たちの行動学
発売日
2004年02月02日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66123-0

幕末に散った男たちの行動学

著者 童門冬二著 《作家》
主な著作 『小説・上杉鷹山(上・下)』(学陽書房)
税込価格 817円(本体価格743円)
内容 暗殺の嵐が吹き荒れる幕末――。新たな時代を切り開こうと己の命を賭け、志半ばで斃れていった男たちの壮絶な生き様を描いた歴史読物。



 歴史には必ず、後世の私たちから見ると、「ひょっとしたらあなたは、この役割だけのために生まれてきたの?」と思わず問いたくなるような、究極の運命をもった人物が現れる。周布政之助、岡田以蔵、梅田雲浜、平岡円四郎、原市之進、徳川家茂。本書に登場する6人の人物たちは、将軍の家茂を除いて、いずれもそんな運命の持ち主だ。

 長州藩のために忠義を尽くそうとするものの、周囲に理解されないため憤死する周布政之助。武市半平太のために生き、武市半平太のために人斬りを行なった岡田以蔵。徳川慶喜に仕え、”頭脳”好みの慶喜を陰から操った男、原市之進。一橋時代の慶喜に重宝され、公武合体のブレーンとして辣腕をふるった平岡円四郎。

 本書は、「使命感」に殉じた男の生涯を組織と人間を描くことに卓越した著者が、真正面から描ききった評伝集である。6人の足跡から、われわれ現代人が何を為し、何を為さざるべきかを考える一冊。