天狗剣法
発売日
2013年01月15日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-67954-9

天狗剣法
法神流 須田房之助

著者 津本陽著 《作家》
主な著作 塚原卜伝十二番勝負』(PHP研究所)
税込価格 713円(本体価格648円)
内容 上野国(群馬県)で法神流の奥義を極め、江戸まで勇名を馳せた幕末の天才剣士・須田房之助の知られざる生涯を、渾身の筆致で描く!



 法神流は江戸後期、上州(群馬県)赤城山で楳本法神(うめもとほうしん)が創始した実戦的剣法。門下3千人といわれ隆盛を誇ったが、その剣名を江戸にまで轟かせたのは、2代目・須田房之助である。

 房之助は少年時代から、近在では太刀打ちできる相手がいないほどの暴れん坊だったが、楳本法神が放浪から戻ってくると、完膚なきまで打ちのめされる。降参し、教えを乞う房之助だったが、その修行たるや言語に絶する激しいものだった。

 やがて「赤城の天狗」と異名をとるほどの無敵の剣士となった房之助は、前橋に道場を構え、つづいて江戸へ進出する。しかし最強を誇り、道場が急速に門弟を増やし始めると、他流から執拗かつ卑劣な陰謀を仕掛けられる。剣で勝ち目のない彼らは、鉄砲で暗殺してまで房之助を亡きものにしようとするのだが……。

 百年後の昭和4年の天覧試合で流派出身の剣士が優勝。現代にまでその名を響かせた法神流の、最強剣士の生涯を描く。