安吾さんの太平洋戦争
発売日
2013年07月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-76040-7

安吾さんの太平洋戦争

著者 半藤一利著 《作家、歴史探偵》
主な著作 歴史探偵 昭和史をゆく』(PHP研究所)
税込価格 817円(本体価格743円)
内容 『堕落論』『白痴』で戦後派の旗手となった坂口安吾に、太平洋戦争はどのような影響を与えたのか、彼の目に映った戦争風景を丹念に描く。



 人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない――戦後日本に衝撃を与えた大ベストセラー『堕落論』は、戦争中の日本人に対する完膚なき批評から生まれた。

 本書は、流行作家として世に出る前の、昭和11年から21年までの坂口安吾の人と作品に寄り添い、「太平洋戦争」が安吾文学に与えた影響を鋭く考察する。

 二・二六事件の最中、女流作家・矢田津世子との恋に終止符を打ち、小説の筆も進まずに京都で退廃的な1年間を送る安吾。新作を携えて東京に戻るが売れず、取手・小田原・新潟へと流浪する。しかし名作「日本文化私観」等を発表、歴史書を読み漁り、焼夷弾の降りしきる中を生き延びながら、人間を見る目を鍛えていった。

 ヒット作『昭和史』『幕末史』の著者にして、若き日に坂口安吾の担当編集者であった半藤一利氏が、「歴史探偵」の先達と敬愛する大作家の真実にせまる渾身の歴史・文学評論。

 『坂口安吾と太平洋戦争』を改題。