[新装版]陸奥宗光とその時代
発売日
2009年11月27日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-77588-3

[新装版]陸奥宗光とその時代

著者 岡崎久彦著 《外交評論家、NPO法人岡崎研究所所長》
主な著作 『戦略的思考とは何か』(中公新書)
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 激動の時代に日本の命運を担い、日本近代外交の基礎を築いた陸奥宗光。明治日本の存続と尊厳を守り抜いた外交官の波乱の生涯を描く。



 権力闘争に敗れた父の失脚で城下を追われ、復讐に燃えて才学双全の人となった陸奥宗光。

 その切れ味の鋭さゆえに、後に「カミソリ大臣」と呼ばれるようになる若き日の陸奥は、勝海舟・坂本龍馬の知遇を得て、勝海舟の海軍操練所、次いで坂本龍馬の組織する海援隊に入り、坂本龍馬と行動を共にした。

 坂本龍馬は「(刀を)二本差さなくても食っていけるのは、俺と陸奥だけだ」と陸奥を高く評価するが、その扱いづらい個性的な性格のため、生前の陸奥を真に理解し、才能を発揮させようと親身になったのは、坂本龍馬と伊藤博文、西園寺公望の三人しかいなかったと、著者は言う。

 並々ならぬ才覚で日清戦争後の三国干渉を乗り切り、明治維新後の日本の生存と尊厳を守り抜いた男の生涯を通して、近代日本の命運を描く。