「肩の荷」をおろして生きる
発売日
2010年07月15日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-79130-2

「肩の荷」をおろして生きる

著者 上田紀行著 《東京工業大学准教授、文化人類学者》
主な著作 『生きる意味』(岩波新書)
税込価格 836円(本体価格760円)
内容 日本人はなぜ不幸せそうなのか。豊かさの中で、何を背負わされているのか。教育、家族、宗教問題を軸に、ポスト新自由主義の生き方を探る。



 なぜ日本人は幸福になれないのか。世界有数の豊かさを享受しながら、いつも不機嫌で疲れきった顔をしている人びと。他人の視線ばかりを気にする若者たち。効率ばかりを求める大人たち。誰もが目に見えぬ重圧に、生きづらさを感じている──。本書では、現代人が背負う「肩の荷」の正体を心理学、宗教学、文化人類学の見地を交えて読み解く。著者は、一九八六年にスリランカへ赴き、民俗仏教「悪魔祓い」と仏教思想に基づく農村開発運動を研究。また、近年では、チベット仏教の指導者、ダライ・ラマとの交流などで話題を呼んだ。それらの体験をふまえて、本書では、「若者たちが自立できない理由」をはじめ、「新自由主義がもたらした害悪」「支えあい社会の復権」などについて、やさしい語り口で論じていく。「肩の荷」とは、いったい何を、誰によって背負わされているのか。どうすればおろせるのか。人生の「孤独」と「癒し」の意味を問い直した思想的メッセージの書。