なぜ日本は「大東亜戦争」を戦ったのか
発売日
2011年03月22日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-79483-9

なぜ日本は「大東亜戦争」を戦ったのか
アジア主義者の夢と挫折

著者 田原総一朗著 《ジャーナリスト》
主な著作 『日本の戦争』(小学館)
税込価格 1,870円(本体価格1,700円)
内容 北一輝、大川周明、頭山満……。大東亜戦争に反対し、大戦略を構想した巨人たちの語られざる肖像に迫る。近現代史のタブーを覆す力作!



 1924(大正13)年11月、最後の訪日を行なった中国独立の父と称される孫文は、神戸で“大アジア主義”を宣言した。当時、アジアのほとんどの国は欧米の植民地となっており、日本と中国が協力してアジアの国々を独立させねばならないということだ。

 大アジア主義を唱える日本人は、それ以前から少なからずいた。私は、アジア主義は正解だと現在でも考えている。それがなぜ大東亜共栄圏となり、大東亜戦争となったのか。大アジア主義から大東亜共栄圏への変遷、その経緯を明らかにするためには、昭和の戦争についてあらためて総括せねばならない。

 どうも私たち日本人には、連合軍が決めつけた“侵略戦争”というよりは敗れる戦争をしたことこそが致命的失敗という認識が希薄なようだ。そこで、いつどこでどのようにして失敗回路にはまってしまったのか、今後失敗を繰り返さないために、徹底的に洗い直してみることにしよう。(田原総一朗/本文より抜粋)