「清貧」という生き方
発売日
2011年09月20日
判 型
四六判並製
ISBN
978-4-569-79973-5

「清貧」という生き方
橘曙覧(たちばなあけみ)に学ぶ

著者 岬龍一郎著 《作家、評論家》
主な著作 『欲しがらない生き方』(角川書店)
税込価格 1,430円(本体価格1,300円)
内容 幕末の歌人・橘曙覧(たちばなあけみ)に学ぶ「清貧」の人生。「分相応の幸福」にスポットを当て、困難な時代に生きる喜びを見出す。



 かつてバブル時代の終わりに『清貧の思想』という本がベストセラーとなった。その中で紹介された文人が、歌人・橘曙覧である。大店の家に生まれ、自分に向かない商いの道を捨てて、福井・足羽山の山中に立てた「黄金宮(こがねのや)」というあばら家で歌を詠んだ。「黄金宮」とはむろん、「身は貧窮のなかにあっても心は黄金のように輝いている」という意味である。そして2011年現在。われわれは東日本大震災の後にあってもなお、物欲やカネを捨てきれずにいる。数えきれない同胞が命を失い、あるいは困窮したまま、政府は何一つまごころのある手当をしない。そんな時代に、われわれは自らの「生」を何と心得るべきなのか。手持ちのわずかな財産を守り、老後の安心を得られれば「人生を生きた」ことになるのか。橘曙覧の時代に、そして『清貧の思想』でも、多くの日本人がそのことを考えたはずである。ならば今もう一度考えてみよう。本書はそんな本である。