西行 その「聖」と「俗」
発売日
2012年01月30日
判 型
B6判変型並製
ISBN
978-4-569-80192-6

西行 その「聖」と「俗」

著者 火坂雅志著 《作家》
主な著作 『天地人』(NHK出版)
税込価格 1,210円(本体価格1,100円)
内容 「武人」としての面に注目すると共に、後白河院や源氏・平家等との関係を検証していくことで、新たな西行像を浮かび上がらせる意欲作。



 これまで、「漂泊の歌人」「数寄者」として語られることが多かった西行――。本書では、そうしたイメージを一度捨て去り、武術を学び、政治に関わり、恋愛に苦悩した“俗”の部分に光を当てることで、新たな西行像を浮かび上がらせた。

 平将門を討った藤原秀郷の嫡流に生まれた西行は、武のエリートとして活躍するだけでなく、武術の達人でもあった。また、いまもわれわれの心を打つ西行の歌からは、恋に悩み、宮仕えに息苦しさを感じていたことがわかってくる。そして、出家することで俗世から離れたにもかかわらず、出家前には上司・部下の関係だった平清盛や、崇徳上皇や後白河法皇とも深く交わり、西行は源平の動乱を生き抜いた……。

 1988年に西行を主人公にした伝奇小説でデビューして以来、その実像を追ってきた著者が、長年の考究の成果を平易にまとめた一冊。2012年の大河ドラマでも、主人公・平清盛の親友として登場する西行の、本当の姿が見えてくる。