祇園の女狐(めぎつね)
発売日
2011年12月12日
判 型
四六判並製
ISBN
978-4-569-80216-9

祇園の女狐(めぎつね)
井伊直弼の密偵・村山たか

著者 櫻田啓著 《作家》
主な著作 広瀬武夫』(PHP研究所)
税込価格 1,540円(本体価格1,400円)
内容 京都金福寺の妙寿尼は、侍女に昔語りを始める。若き井伊直弼と情交し、密偵として「安政の大獄」に暗躍した日々を……。力作歴史長編。  



 幕末動乱期、綺羅星のごとき英傑たちが世にあふれ、激しく時代を生きた。しかしそれは男だけの話ではなく、女もまた激しさは同じだ。まさに「女の性(さが)」のままに、愛する人のために自らを犠牲にする女性さえいたのだ。

 大老・井伊直弼の密偵として、「安政の大獄」で暗躍した村山たかは、その象徴的な存在かもしれない。

 物語は、京都金福寺の尼僧・妙寿尼(村山たか)が、明治の世を迎え、侍女のお松に昔語りをする形で進む。若き日、まだ部屋住みだった井伊直弼と情交し、のち祇園の芸妓(芸子)となったたかは、妖艶な魅力を身につけて「女狐」と渾名された。時は流れ、大老になった直弼から突如呼び出されたたかは、間諜(スパイ)となって京の尊攘派浪士の動向を探れと依頼される。いまは雲の上の人となったかつての想い人のために、たかは浪士の捕縛に貢献していくが……。

 哀しいまでに「女の性」に生きた妙寿尼の波瀾の生涯を描いた力作小説。