世界遺産にされて富士山は泣いている
発売日
2014年06月13日
在 庫
在庫あり
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-82004-0

世界遺産にされて富士山は泣いている

著者 野口健著 《アルピニスト》
主な著作 『富士山を汚すのは誰か』(角川ワンテーマ21)
税込価格 821円(本体価格760円)
内容 なぜ日本を代表するアルピニストは「富士山の世界遺産登録」を嘆くのか。日本が誇る霊峰の驚くべき現状と私たちがいまできることとは?

阿川佐和子さん推薦! 「名誉欲はないけれど好奇心が人一倍。善人にみえるが案外のB面好き。そんな野口健だから、その言葉には真実がある」

 

 美しい「日本の象徴」でいま起こっていることは、日本社会が抱える問題そのものだ!

 2013年6月、富士山は世界文化遺産に登録され、日本中が沸き立った。しかしその清掃登山に尽力し、「富士山が世界遺産になったらいいね」といいつづけてきた野口氏は第一報を聞いたとき、悔みに悔みきれなかったという。

 「清掃登山に全力を注ぐなかで、環境問題を超える富士山のほんとうの問題に気づいてしまった」。そう野口氏は語る。そこで彼がみたのは「日本の象徴」の背後で既得権にしがみつき、縄張り争いに奔走する「人間」の姿だった。

 そうしたなかでひたすら「世界遺産登録」だけを目的に準備が進められてきたことを、綿密な取材を重ねながら本書は描き出していく。そして、じつは今回の世界遺産登録にはユネスコからの「条件」がついていることを、どれだけの日本人が知っているだろうか。

 その「条件」をクリアできなかった場合、富士山は「危機遺産」入りもしくは世界遺産登録取り消しすらあり得るのだ! ならば、もつれた人間関係の糸をどう解きほぐし、日本の宝を「守る」ためにいま何をすべきなのか。

 そこで野口氏は「富士登山鉄道」など目から鱗のビジョンを次々に打ち出していく。そもそも江戸時代の富士山登山は「弾丸登山」どころか「スローな旅」だった。そうした「ほんとうの観光」のあり方をも描きながら、日本を代表するアルピニストが著した衝撃の一作。

 

 内容例:「それは義務か?」と開き直って怒る中国人/登山客の激増で環境汚染はさらに進む/山梨と静岡で山開きの日が違う!/八合目から上は浅間大社の私有地/山小屋にも渦巻く巨大な利権/「自然遺産」がダメなら「文化遺産」だ!/鎌倉は富士山の「ダミー」になったのか?/めざすべきゴールの違い――毎日新聞との訣別/小笠原諸島の主役は「カタツムリ」/あと10万人の登山者を減らすために/なぜ登山鉄道がとっておきの秘策なのか/スイスのツェルマットに学ぶべきこと/高まりつづける「日本を知ろう」という気運/外国人の評価にあまり追随しないこと/いま僕たちがもつべきは大きな歴史観