これ1冊！　女性の「コレステロール」「中性脂肪」

コレステロールや中性脂肪の値が高いと、動脈硬化につながりやすいことが知られるようになり、皆さんの中にはご自分の数値の高さが気になっている方もいらっしゃるかもしれません。「脂質異常症」を指摘され、「コレステロール値や中性脂肪値を下げる薬を飲んだほうがいいの？」と迷っている方もいるのではないでしょうか。

■薬を服用する前に、まず知っておいてほしいこと
女性は、閉経後にコレステロール値と中性脂肪値が上がりやすくなる、ということを知ってください。
とくにLDL（悪玉）コレステロールの数値は、閉経後に急上昇し、その後も高い状態が続きます。
中性脂肪も増えやすくなり、内臓脂肪型肥満になっていく方が多くなります。
男性には見られない、こうした女性特有の変化が起きる理由は、閉経にともない女性ホルモンのエストロゲンが分泌されにくくなるからです。

■エストロゲンは、女性の体を保護しています
エストロゲンは、LDL（悪玉）コレステロールを減少させて、HDL（善玉）コレステロールを増やす働きのほか、肝臓や脂肪の燃焼を抑えたり、組織への脂肪の取り込みを促進する働きもあります。
そうした恩恵が得られなくなることで、コレステロール値や中性脂肪値が急上昇しやすくなるのです。
これは言うなれば自然な変化。ですから数値の上昇をことさら心配しないでください。

■意識していただきたいのは、生活習慣の見直し
「脂質異常症」は、遺伝的な要因、なりやすい体質、代謝系疾患や精神疾患の薬などが原因となっているほか、生活習慣の乱れが大きく影響している場合が少なくありません。
生活習慣を見直していくことで、脂質異常の状態を改善したり、発症を防いだりすることができます。

■薬に頼らずコレステロール値や中性脂肪値を改善するには？
本書で紹介している方法を取り入れて、生活の中で悪玉コレステロールや中性脂肪を減らしていきましょう。　　（「はじめに」より）

【PART1　知識編】女性のコレステロール値は50代から変化する！
・コレステロールも中性脂肪も必要な栄養素
・LDLコレステロールとHDLコレステロールは何が違う？
・脂質異常症は動脈硬化の大きなリスク要因に
・女性のコレステロール値が閉経後から上がるのは自然な変化
・動脈硬化性疾患発症のリスク判断でも男女差が考慮されている
・LDLとHDLのバランスを見ることが大事
・中性脂肪が増えると善玉HDLが減る!?
・LDLは食事で減らし、HDLは運動で増やす
《コラム》歳を過ぎたら5年に1回は頸動脈エコーを受けましょう

【PART2　食生活編】悪玉LDLを減らし、中性脂肪を増やさない食べ方
・コレステロール値を上げる食品・下げる食品・変化させない食品を知る
・1日に必要なエネルギー量を把握しておくのも大事
・LDLを減らすポイント（1）飽和脂肪酸を減らす
・LDLを減らすポイント（2）調理法で油脂の摂取率を下げる
・LDLを減らすポイント（3）1日25gの食物繊維をとる
・LDLを減らすポイント（4）LDLコレステロール値を下げる食材をとる
・LDLを減らすポイント（5）LDLの酸化を防ぐ抗酸化物質を含む食品をとる
《コラム》お酒は飲んでいいの？　よくないの？

【PART3　運動編】体を動かす習慣が善玉HDL値を高くする
・中性脂肪を減らすことが善玉HDLアップのカギ
・目安は「3メッツ以上」の運動を取り入れること
・ストレッチ＋有酸素運動＋ゆる筋トレの3ステップで効果が倍増
■STEP1　運動前と運動後の「ストレッチ」
・背中のストレッチ
・太もものストレッチ
・ふくらはぎとアキレス腱を伸ばす
・股関節やおしりの寝たままストレッチ
・太ももの前面を伸ばす
■STEP2　体脂肪を減らす「有酸素運動」
・ウォーキング
・踏み台昇降運動
■STEP3　筋肉量を増やす「ゆる筋トレ」
・いすスクワット
・ゆる腕立て伏せ
・片足踏み込み
・かかと上げ
・足上げ10秒間キープ
・立って横足上げ
・寝たまま横向き足上げ
・上体10秒間キープ
・寝たままおしり上げ