人名事典

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上前淳一郎

(うえまえ・じゅんいちろう)
 一九三四年岐阜県生れ。東京外国語大学英米語科卒。朝日新聞記者を経て、六六年よりフリーに。

 デビュー作『太平洋の生還者』(文藝春秋、76年)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞してから二十年。『イカロスの翼』(同、78年)、『洞爺丸はなぜ沈んだか』(同、80年)など多彩な題材で日本を描いてきた。最近はノンフィクション作家というより練達のコラムニストとして名高い。『週刊文春』に長期連載中の『読むクスリ』は、すっかりライフワークになった。マーケティングの論理そのままに流行風俗を言挙げしてすますコラムが多いなか、「人間関係のストレス解消に」拾い集めた心温まる逸話の数々は、胸のなかが明るむ思いをさせてくれる。

 著書に『読むクスリ』(文春文庫、87年~)、『人・ひんと・ヒット』(文春文庫、90年)など。

(データ作成:1998年)