人名事典

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上野千鶴子

(うえの・ちずこ)
 一九四八年富山県生れ。京都大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程修了。京都精華大学助教授などを経て、九三年より東京大学助教授。専攻は家族社会学、記号論、女性学、人類学。

 八○年代フェミニズムの旗手。女性の集まるところ、企業がプロデュースした会合にも積極的に出かけ「女縁」を構築する一方、『女遊び』(学陽書房、88年)など“おもしろフェミニズム”とも称された一般向け啓蒙書を量産。良くも悪くもフェミニズムに関心を寄せる層を一挙に拡大した。また、「相互に独立した家父長制と資本制という二つのシステムの相互作用が、家庭と市場の両方における性差別の原因」とする『家父長制と資本制』(岩波書店、90年)ではマルクス主義フェミニズムを唱える上野理論を全面展開した。

 東京大学に移ってからは、“本業”の理論社会学にほぼ専念。だが、「挑発にはのる、売られたケンカは買う、ノリかかった舟からはオリない」を処世三原則とするだけに、再び大爆発する可能性もおおいにある。

 著書に『きっと変えられる性差別語』(共著、三省堂、96年)、『スカートの下の劇場』(河出書房新社、89年)ほか。

(データ作成:1998年)