人名事典

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加地伸行

(かじ・のぶゆき)
 一九三六年大阪府生れ。京都大学文学部卒。高野山大学、名古屋大学を経て大阪大学教授。

 日本人の日常を支えているメンタリティの深層を分析。宗教としての儒教が、いかにわれわれのなかに入り込んでいるかを指摘する。「儒教、それは日本、朝鮮半島、中国、すなわち東北アジア地域をゆるやかに結んでいる大文化である。われわれはこの儒教を骨格にしてきた。これからもそうであろう」と加地氏はいう。

 最近は、オウム事件についての分析や官僚バッシング問題での分析において、きわめて独特で説得力のある議論を展開し注目される。日本文化の深層にまで遡っての議論は、一見意外に思われる結論を導き出すが、きわめて説得力に富んでいる。

 著書に『沈黙の宗教 儒教』(筑摩書房、94年)、『儒教とは何か』(中公新書、90年)がある。

(データ作成:1997年)