人名事典
大江健三郎(おおえ・けんざぶろう) |
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一九三五年愛媛県生れ。東京大学文学部仏文科卒。九四年ノーベル文学賞受賞。 六三年に広島を訪れることで核時代に生きていく人間の苦悩を深く認識、『ヒロシマ・ノート』(岩波書店、六五年)に結実させる。その後「戦後民主主義」と「平和主義」を自らの創作テーマとし、反核運動の中心的な存在となる。 「ほぼ五十年前の敗戦を機に……新生に向かう日本人をささえていたのは、民主主義と不戦の誓いであって、それが新しい日本人の根本のモラルでありました」とノーベル賞受賞の記念公演で述べ、自らの作品を民主・平和を求める近代的で普遍的なものとした。 著書に『万延元年のフットボール』(講談社文芸文庫、88年)、『あいまいな日本の私』(岩波新書、95年)ほか。 |
(データ作成:1997年) |