人名事典
斉藤 学(さいとう・さとる) |
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一九四一年東京都生まれ。慶應義塾大学医学部を卒業、フランス政府給費留学生として留学、その後、国立療養所久里浜病院医長、などを経て、慶應義塾大学医学部客員講師なども務める。精神科医・家族機能研究所代表。 アルコール依存症の研究から、アダルト・チルドレンの研究に向かい、アメリカのAA(アルコホリックス・アノニマス)の運動に着目。アルコール依存症、児童虐待、過食症、拒食症などで悩む人々の自助グループを援助し続けている。 執筆活動も盛んで、雑誌『アルコール依存症とアディクション』の編集主幹を務めるほか、八九年の『家族依存症』(誠心書房)や九五年の『「家族」という名の孤独』(講談社)はベストセラーに。 斉藤氏は、親の折檻が精神的な傷をもった子供にする「アダルト・チルドレン」問題を「家族依存症」として捉え、過度な家庭依存が精神的な歪みを作りだしているとした。したがって、家族の拘束にこだわることや、父親の役割を強調する考え方を抑圧的だとして退ける。 しかし、アメリカの「アダルト・チルドレン」問題と、日本の家族問題とを同レベルで論じられるか否かについては異論も出されている。 近著に『「家族」はこわい』(日本経済新聞社)がある。 |
(データ作成:2000年) |