人名事典

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永井 明

(ながい・あきら)
 一九四七年広島県生れ。東京医科大学卒。モントリオール大学国際ストレス研究所員、神奈川県立病院内科医長を経て、医療ジャーナリストに。

 医者だったころに得た知見、人脈、疑問を動員しながらも、虚心坦懐に現在の医療の現場をレポートする。東海大「安楽死」殺人事件問題では、安易にシステムに原因を帰することなく、医師・家族のなかにある「人間としての未成熟」を喝破した。「ぼくたちに求められていること。そのひとつに、『個としての成熟』があるのではないか……自らの行なった行為に関しては、基本的に自らの責任で処理する。自らの生き方は、自らがちゃんと決めるということ。死に方に関しても同様だ。その基本スタンスが作れないまま、終末期医療について、ましてや安楽死について云々するなど、十年早いのかもしれない」。貴重な内省である。

 著書に『病者は語れず 東海大「安楽死」殺人事件』(文藝春秋、95年)、『病気の値段』(光文社、94年)など。

(データ作成:1998年)