人名事典
清家 清(せいけ・きよし) |
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一九一八年京都府生れ。東京工業大学建築学科卒。同大、東京芸大教授を経て、名誉教授。 専攻は建築史。赤レンガの東京駅を残そうという運動が印象に残る。「男の城の設計学」「ほんもの居住学」などその居住、設計思想は文字どおりシンプルライフ。むしろ自らの人生を語った『新潮45』(90年7月号)「弱虫にもケ・セラ・セラの魂」が読みごたえのある内容。 清家は軍隊生活、健康管理……すべてなるようになれで生きてきたというが、本職の建築も同じ気持でやってきた。「建築というものは環境のなかに存在すべきと信じているから、自然環境に挑戦して環境破壊に直結するのは誤りだと思う。私たちがなすべきことは開発でなく調和である。自然と競争しようとすれば負ける。いつか必ず自然に仇討ちされる」とわかりやすい。 何をとっても自然体。東洋流の建築哲学がこの人の真骨頂。 著書に『新しい時代の豊かな住まい方』(共著、同文書院、92年)など。 |
(データ作成:1997年) |