人名事典

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渡邉昭夫

(わたなべ・あきお)
 一九三二年千葉県生れ。東京大学文学部卒。同大学院人文科学研究科修士課程修了。東京大学教養学部教授を経て、青山学院大学教授(国際政治経済学部教授)。

 細川首相が九四年に「防衛計画の大綱」見直しの指針づくりを諮問した「防衛問題懇談会」のメンバー。報告書の総論部分を執筆した。柱となった「多角的安全保障協力」の表現に対して米国が「離米の兆候」を懸念、九五年の「東アジア戦略報告」(ナイ・レポート)につながった経緯がある。

 氏自身、「これまでの日米安保は日本を守るために必要だというだけで、そこから先は知りませんだった。それを日本の問題として考えた」と語っている(『朝日新聞』96年6月14日)。「安保再定義」は日本のイニシアティブではじまったということか。

 著書『アジア・太平洋の国際関係と日本』(東京大学出版会、92年)。

(データ作成:1998年)