人名事典

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酒井信彦

(さかい・のぶひこ)
 一九四三年神奈川県生れ。東京大学文学部卒。現在、東京大学史料編纂所助教授。

 「開かれた皇室」の名のもとに、皇室のはたすべき「公」が、マスコミによって政治的に利用されること、さらにはタレントの役割を担わされる傾向を憂慮する。皇室の「公」とは日本国民全体を包みこんで、それを代表する立場のこと。それゆえ、御婚約が確定したさいの皇太子・小和田嬢がマスコミに聞かれるままに私事を語ったことなどを批判した。氏によれば、一般人とは異なる甚大な社会的影響をもつ皇室の方々には言論の責任が必然的に生ずる。「したがって、天皇陛下・皇太子殿下であっても、批判申し上げざるをえない」という。また、中国の「中華思想」からの侵略主義、村山政権にみられた「日本人の総社会党化」の指摘でも注目される。皇室問題に関しては的確な発言ができる若手のホープ。

 著書に『義演准后日記2』(続群書類従完成会、84年)がある。

(データ作成:1997年)