人名事典

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黒田勝弘

(くろだ・かつひろ)
 一九四一年大阪府生れ。京都大学経済学部卒。共同通信社入社、韓国・延世大学留学、ソウル支局長を務め、産経新聞社に移籍、産経新聞ソウル支局長。

 深みのある日韓報道に定評がある。九○年「金丸訪朝団」が「戦後四十五年の償い」を非公式に約束した際、朝野をあげてこれを非難する言論が満ち満ちたなかで、ひとり北朝鮮外交の深謀遠慮ぶりを韓国の反日外交と比較して評価し(『諸君!』90年12月号)、異彩をはなった。

 「歴史の立て直し」を主張する現金泳三政権の「過去否定論」が日韓関係にも及んでいるとして、政権与党が安易に「反日」を利用し、ブレーキがかからない事態を憂慮する(『諸君!』96年6月号)。日韓関係の長期的な改善について、もっとも真摯に思考している論者であろう。

 著書に『“板門店”の壁は崩れるか』(講談社、90年)、『韓国人の発想』(徳間書店、86年)、『韓国を読む』(共編、集英社、86年)。

(データ作成:1997年)