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スポーツ指導者のための『実践!グッドコーチング』研修会レポート

2019年7月12日(金)、PHP研究所京都本部で、スポーツ指導者を対象にパワハラの防止対策を学ぶ研修会が開かれました。

大阪体育大学・土屋裕睦

この研修会は『実践!グッドコーチング~暴力・パワハラのないスポーツ指導を目指して』の刊行にあたって開催したもので、野球やサッカー、バレーボール、相撲などの指導者およそ30人にご参加いただきました。

講師は、大阪体育大学大学院教授の・土屋裕睦先生です。
 

スポーツ指導者が問われる「人間力」

研修会のはじめに、土屋先生より、「あなたがスポーツ指導で大切にしていることを漢字1文字で表すと何ですか?」という問いかけがありました。

「和」「心」「情」など、参加者からはさまざまな漢字が出てきました。これは、自分自身が何を大切に日々の指導を行っているかを振り返っていただくためのものです。

スポーツ指導者は、競技に関する「知識・技能」に加えて、自分自身のコーチングを形作る中心にある「思考・判断」、プレイヤーや社会との良好な関係を築くための「態度・行動」が問われる時代となりました。土屋先生はそれらを「人間力」と呼び、暴力やパワハラ防止のベースになるものであると力説されました。

続いて、参加者には3つの設問が出され、グループ討議がはじまりました。

1)五輪に義足のランナーが出場するのはありか、なしか
2)甲子園で5打席連続で敬遠するのはありか、なしか
3)次の試合に有利になるように、わざと負けるのはありか、なしか

いずれも、近年、スポーツ界で議論になったテーマです。グループ内で、各競技の指導者から、さまざまな意見が出されました。

「どの設問にも唯一の正解はありません。大切なことは、指導者としてこりかたまらないこと、決めつけないこと。他の人の考え方を知り、とりいれ、指導者として成長し続けること」

土屋先生からの「人間力」にフォーカスしたレクチャーに、参加者も大きくうなずいていました。
 

ケース演習「愛のムチとしてビンタをくらわした?」

スポーツパワハラ・グッドコーチング研修会

その後は、『実践!グッドコーチング』を活用したケーススタディ演習です。このガイドブックは、学校関係者、スポーツ関連10団体以上からのヒアリングをもとに「スポーツ指導あるある」を多数掲載。スポーツ庁、日本スポーツ協会・制作協力、日本スポーツ法学会・監修のもと、現場での対応策を具体的に提案しています。

今回、討議したのは下記の4ケースです。

1)愛のムチとしてビンタをくらわした
2)ルールを破った部員に丸刈りを命じた
3)先輩指導者の体罰をコーチとして見て見ぬふりをした
4)ミスの連帯責任として全員に正座させた

研修会では、ガイドブックに掲載された独自のチェック表でパワハラレベルを4段階に分類。それぞれの事例で、自分に思い当たることはないか、問題点は何かを話し合っていきます。

「体罰は絶対にいけない」
「丸刈りを強制するのはやりすぎだ」
「正座より、ミスの原因と対策を話し合わせるべき」

といった意見が出される中、土屋先生からは、「ケースをもとに、もっとよい指導はなにかを考えることが大切」とのアドバイスがありました。

研修会の最後には、「体罰・暴言コーチの4タイプ」「アンガーマネジメントのポイント」など、実践的なノウハウの紹介もありました。この日の参加者からは、「視野が広がった」「指導者仲間にシェアしたい」といった感想をいただきました。

パワハラは指導者の誰にでも起こりえるものです。このガイドブックをきっかけに、自身の指導方法をふりかえり、グッドコーチとしての成長のお役にたてば幸いです。
 

※『実践!グッドコーチング』は書店では販売しておりません、

※100部以上ご注文の場合には、割引価格の適用があります。

スポーツパワハラ、実践グッドコーチング


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