松本城
発売日
2010年01月06日
判 型
A4判変型並製
ISBN
978-4-569-25009-0

新版 名城を歩く 7
松本城

著者 西ヶ谷恭弘監修 《日本城郭史学会代表》
主な著作 東京近郊の名城・古城』(PHP研究所)
税込価格 628円(本体価格571円)
内容 北アルプスに映える威風堂々の黒の天守。信州が誇る五重六階の天守は、現存するものでは姫路城と松本城だけ。俯瞰の写真が見事。



 信州随一の名城松本城の五重天守は、国宝四城のうちでも姫路城とともに二基しか現存していない勇壮さを誇る。北アルプスを借景に黒く輝く城は、指折りの風景を見せてくれる。

 もともと松本城は深志城と呼ばれていたものの、小笠原貞慶がその名を改め、その後豊臣秀吉の命を受けた石川数正が入城し近世城郭の建設と本格的な城下町づくりに着手する。廃藩置県により天守は競売にかけられ、取り壊されそうになるが自由民権運動の先駆者市川量造などの努力によって解体をまぬがれ、昭和に入り天守群が国宝に指定される。

 周辺の観光地も独特の味わいがある。博物館群を従える学都・松本、美術館群と温泉郷を擁する安曇野、信州の鎌倉と称される上田、佐久間象山を生み、真田氏が太平を謳歌した城下町・松代。長野駅に降り立てば、善光寺が旅人を迎えてくれる。

 信州は静かに歴史と自然を愉しむ格好のエリアだ。