若者の「心の病」がわかる本
発売日
2001年01月05日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57499-8

若者の「心の病」がわかる本
「ひきこもり」から「家庭内暴力」まで・精神科医のカルテ

著者 町沢静夫著 《精神科医、立教大学教授》
主な著作 ありのままの自分に“YES”と言おう』(PHP研究所)
税込価格 524円(本体価格476円)
内容 引きこもり、いじめ、家庭内暴力、殺人等の問題行動や犯罪に走る青少年を救う手だてとは。臨床に当たる精神科医がその処方箋を説く。



 十七歳前後の若者による凶悪犯罪が続発している。事件を起こした若者の周辺の大人や同世代の反応は決まって「普通の子がなぜ?」という驚きや戸惑いばかりである。同じ年頃の子をもつ親は、わが子がわずかな変化を見せたとき「もしやうちの子も」と不安を感じることが多いのではなかろうか?

 本書では、大人には見えにくい若者の内面に隠された「心の闇」の存在を指摘する精神科医が、若者の心の叫びを解明し、その解決の糸口を探ろうと試みている。

 ひきこもりや家庭内暴力、いじめ、不登校等に直面した若者への臨床を通し著者は、豊かさの中で何不自由なく生きてきた結果、生きる目標を見失い、虚無感に苦しむ若者が多いと警告する。

 だが著者は、若者自身にその苦悩を克服する勇気が必要で、若さを立ち直る力として、決して親も子も希望を捨てないことを訴える。

 現代の若者が何を考えているか、本書の具体例は年頃の子をもつ親にとっては、大変参考になるであろう。