佐々木小次郎
発売日
2003年08月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57980-1

佐々木小次郎
秘剣「つばめ返し」を編み出した剣豪

著者 浜野卓也著 《作家、評論家、日本文芸家協会会員》
主な著作 黒田官兵衛』、『細川忠興』(PHP研究所)
税込価格 586円(本体価格533円)
内容 富田勢源に入門した後、各地を流浪して剣名を高めていく小次郎……。宮本武蔵の最強のライバル「岩流」の生涯を描いた力作小説。



 宮本武蔵の最大のライバルとして著名な悲劇の美青年剣士・佐々木小次郎……しかしその実像は、断片的な史料で伝えられるのみで、ほとんどが謎のヴェールに包まれている。本書は、そうした史実の隙間を紡ぎ、佐々木小次郎という一人の剣豪の瑞々しい青春の勇姿を描き出す。

 少年期に小太刀の名手・富田勢源に入門した小次郎は、背に伝家の宝刀を携え、幼馴染みの若菜を追って各地を流浪しながら、兵法修行を積んでいく。やがて柳生四天王の一人・木村助九郎との打ち太刀や武蔵の門弟・小池左門との決闘などを経て、その剣名が高まると、小次郎は自らの最強を証明したいと願うようになる。そして、もう一方の雄・武蔵に対し、ただ己の編み出した秘剣「つばめ返し」が通用するか否かを確かめるため、運命の“巌流島”へと向かうのだった――。

 常に敵と真っ向勝負し、倒し続けた孤高の剣士。その生き様を活写した、著者会心の力作小説である。文庫書き下ろし。