小沢治三郎
発売日
1999年01月20日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-60504-3

小沢治三郎
最後の連合艦隊司令長官

著者 二宮隆雄著 《作家》
主な著作 『江戸の風』(講談社)
税込価格 1,870円(本体価格1,700円)
内容 その独創的な戦略で、日本海軍の中にひときわ異彩を放つ小沢治三郎。マレー沖海戦で大きな戦果をあげ、敵からも称賛された提督の生涯。



 「君たちは決して死んではならない」??小沢治三郎が部下たちに行なった、連合艦隊司令長官としての最後の訓示である。小沢は言った。「戦争に敗れたことは残念で、その責任は強く感じる。だが戦争を起こした責任は私にはない。そして君たちにも、むろんない」。 小沢治三郎??旧帝国海軍の最後の連合艦隊司令長官である。小沢は海軍の発展に草創期から関わった。日本が独自につくり出した空母主体の機動部隊は小沢の発想だった。さらにアウトレンジ戦法、レイテ作戦におけるおとり艦隊など、その奇抜な発想力は敵将からも称賛されるほどだった。小沢はまた日本軍の典型的悪習である組織の官僚主義とも必死で戦った。日本軍の敗北は軍隊の官僚化だとも言われるが、小沢はすでにその危険を見抜いていたのである。 終戦後、部下たちの自決を制した小沢は、自らも自決しなかった。「軍人として最後まで日本を護る」??それが小沢流の責任の取り方だった。