懐かしい「東京」を歩く
発売日
2005年06月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66408-8

懐かしい「東京」を歩く

著者 森本哲郎著 《評論家》
主な著作 ことばへの旅』、『生き方の研究』(PHP研究所)
税込価格 776円(本体価格705円)
内容 巣鴨の庚申サマ、渋谷村、深川の芭蕉庵……東京に暮らして80年の著者が、達意の筆によって古き良き町や人々の面影を綴った名随筆集。



 お台場・丸の内・六本木をはじめ、ここ数年の都内の再開発には目を見張るものがある。しかし、その一方で、谷中・根津・千駄木に代表される江戸の昔を髣髴とさせる地区も、静かなブームとなっている。江戸開闢以来、数百年の歴史を背負いながら、古き良き時代の記憶をかき消していく「東京」。変転きわまりないこの巨大都市は、いったいどこへ向かうのだろうか。

 世界中を旅しながら、優れた文明論・紀行を物してきた著者は、巣鴨に生まれ、八十年近くを東京に過ごしてきた生粋の「東京人」。巣鴨・大塚・渋谷・中野・深川・銀座・神保町……と、思い出の地にかつての面影をたどりながら、この都市が内包する文化的深み、多様な住人たちの息づかいを見事にあぶり出していく。古き東京を知る人には懐かしさと共感にあふれ、若い世代には新たな発見と出会える好著となった。

 東京をこよなく愛するすべての人に贈る、達意の名随想集。

 『ぼくの東京夢華録』を改題。