千年の色――古き日本の美しさ
発売日
2010年12月06日
判 型
B6判変型上製
ISBN
978-4-569-77123-6

千年の色――古き日本の美しさ

著者 吉岡幸雄著 《「染司よしおか」五代目当主》
主な著作 京都人の舌つづみ』(PHP研究所)
税込価格 1,760円(本体価格1,600円)
内容 残したいものは、色だけではない――。染司よしおか五代目の著者が語る、「古き良き」の活かしかた。読めば、日本の良さが見えてくる。



 染司よしおか五代目当主が語る――。

 着ること、食べること、住まうこと、学ぶこと。

 目に焼きつく鮮烈な赤、まばゆい黄色、そして無限を感じさせる青……。枯れたように見える植物の根や実を染料に、灰を使って彩り豊かな色を汲み出すのである。そこには、現代では「効率化」の名の下に省略される、豊かな時間と手間がかけられていた。

 染色だけではない。少しでも暖かくなるようにと想いを込めて針を刺した「衣」・祖母が孫のために作る夕餉や季節ごとに姿を変える畑にあらわれていた「食」・職人と共に少しずつ完成させる「住」、そして己の生活を整えるために自然に行われていた「学」においても、古人たちが当たり前にやっていたことには、「古き日本のこころと知恵」があふれているのである。

 いまいちど、日本の美しさをたずねて――。

 著者の吉岡幸雄氏、第58回菊池寛賞受賞後第一作。