新版 空海と密教
発売日
2015年03月05日
判 型
四六判並製
ISBN
978-4-569-82400-0

新版 空海と密教
「情報」と「癒し」の扉をひらく

著者 頼富本宏著 《仏教学博士、種智院大学元学長》
主な著作 『密教』(講談社)
税込価格 1,760円(本体価格1,600円)
内容 日本文化に多大な影響を与えた思想家、弘法大師の生涯を辿り空海の実像に迫る。現代人にとって「悟り」の意味を問いかける名著の復刊。



 巷に「お大師さん」として愛されている弘法大師・空海は平安初期の大思想家であり、日本文化に深く溶け込むその存在は密教の奥義を究め、聖なるエネルギーを広く行き渡らせるものであった。本書では、その思想と行動における二極を「情報」と「癒し」の二つの視点から取り上げている。「情報」とは、七から八世紀のアジアは国際化の時代であり、その代表的国際人、文化人として空海が東寺を中心に発信し続けたことを意味する。「癒し」とは、高野山での修禅、入定に関する空海の考えや、仏教の智恵、単に治すとか治療するだけではなく、より前向きに積極的に生きる「仏の救い」である。山林修行し、命がけの入唐、恵果阿闍梨との師弟関係、ライバル・最澄との交流と決別……。数々の伝記資料を用いながら、聖と俗の両界を自由に往来した空海の実像に迫りつつ、単なる「知識」ではなく、身体で覚える「智恵」とは何か――空海の思想と行動を通して、現代人に「さとり」の意味を問いかける。高野山・開創千二百年を迎え、人間空海の実像に迫った本格的評伝。PHP新書『空海と密教』を加筆して復刊。