男性という孤独な存在
発売日
2018年01月15日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-83746-8

男性という孤独な存在
なぜ独身が増加し、父親は無力化したのか

著者 橘木俊詔著 《京都大学名誉教授》
主な著作 『格差社会』(岩波書店)
税込価格 946円(本体価格860円)
内容 そもそも、ほとんどの男が結婚できる時代が異常だった――。現代のデータ、家族の歴史、サル学から、平凡な男性の孤独について考える。



 私はこれまで四十年ほどの間、結婚・家族のことなどを研究してきたが、最近になって一つの思いが強くなってきた。結婚とは本来限られた男性が行なうことであり、仮に結婚できたとしても、家庭の実質的な権力者は妻になることが多いのではないか――。(「はじめに」より)

 ほとんどの男性が結婚でき、一家の長として権威を持っていた時代に比べ、現代日本では男性は結婚してもしなくても孤独である。生涯独身男性の増加、家庭内での父親の地位低下、草食男子……。こうした変化を嘆く向きも多いが、著者は「明治から戦前までの約100年の方がむしろ『異常な時代』であり、本来は『平凡な男』の存在意義は小さいのである」と一刀両断する。

 男性、とくに「平凡な男」はそもそも「余剰な存在」だった――。広範にわたる各種データや家族史、サル学などから導き出されたこの衝撃の真実を、我々は受け入れなければならない。

 格差論の第一人者が正面から男性という存在に斬りこんだ、刮目(かつもく)の1冊。

 【目次】より 
●第1章 「普通の男」は父、夫になりづらい時代 
●第2章 日本の結婚・家族の歴史 
●第3章 現代における「家族のかたち」の変容 
●第4章 父親という存在の実像 
●第5章 雄のいらない動物からの示唆 
●第6章 男という存在の軽さ