噂を売る男
発売日
2021年07月27日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-84995-9

噂を売る男
藤岡屋由蔵

著者 梶よう子著 《作家》
主な著作 『一朝の夢』(文藝春秋)
税込価格 1,980円(本体価格1,800円)
内容 江戸の町で掴んだ種(ネタ)を大藩の留守居役らに売る由蔵が、天下を揺るがすシーボルト事件に巻き込まれる。真相に辿り着いた彼は……。



 江戸の町に、世の理不尽と戦う「情報屋」がいた!

 その名は、藤岡屋由蔵――。

 神田旅籠町の一角で、素麺箱に古本を並べ、商売をするこの男が、古本販売を隠れ蓑に売っていたのは、裏が取れた噂や風聞の類。それを買いに来るのは、喉から手が出るほど“情報”がほしい各藩の留守居役や奉行所の役人だった。

 由蔵が己の仕事として心に刻み込んでいたのは、真実を見極め、記すこと。

 筆一本で戦う由蔵のもとに、ある日、幕府天文方の役人が逃げ込んで来る。その役人は、日の本を震撼させたシーボルト事件に絡んでいた。しかしその騒動のとばっちりで、由蔵の手下が命を落としてしまう。

 手下の理不尽な死を許すことができない由蔵は、真実を暴くため、動き始めるのだが……。

 天下を揺るがす陰謀に、“情報”で挑んだ男を活き活きと描く傑作歴史小説。