雑誌
Voice 2016年2月号
今月号の読みどころ
中東の緊迫の度合いが深まっている。IS(イスラム国)のテロ、シリア問題、サウジアラビアとイランの国交断絶と、戦争前夜の状況だ。日本の輸入原油の85%がホルムズ海峡を通過する。そこがイランに封鎖されれば、当然日本経済にも影響する。「存立危機事態」となれば、自衛隊も派遣されるのか。2016年の幕開けは不穏な空気が漂っている。
2月号の総力特集は「沈む世界 浮かぶ日本」。佐藤優氏は宮家邦彦氏との対談で、ISは「ついに西側諸国に対する『世界イスラム革命戦争』を始めた」と言い切り、「日本もテロの例外ではない」と警鐘を鳴らす。一方、ロシアの思惑に対しては「アサド政権を事実上のロシアの傀儡にし、イランの影響力拡大を阻止しよう」としているのだという。宮家氏は「いまの混沌を契機に、中東にあるかつての帝国が復活してきました。イラン、トルコ、ロシアが帝国的な動きを見せている」との仮説を披露する。また、2016年のもう一つの不安要因は中国経済であろう。長谷川慶太郎氏は「中国は早急に鉄鋼業のリストラに踏み切らざるをえないが、約30万人の従業員の少なくとも3分の1のクビが飛ぶ」と予測し、日本に関しては「世界で最もゆとりのある『独り勝ちの国』になった」と分析する。もちろん、地方創生や2017年4月の消費税増税など難問も山積しているが、柳川範之氏は名目600兆円のGDP目標を達成する方法として、急成長企業をできるだけ日本から創出していくことを提案する。
第二特集は「ストップ下流老人! 華やかな終活」。ベストセラー『下流老人』における指摘は、誰にとっても他人事ではないはずだ。日本には現在、生活保護レベルの暮らしを余儀なくされている人がおよそ600万~700万人はいるという。著者の藤田孝典氏は「低所得者向けの住宅はまったく足りていないのですから、そこは政府が予算を投下していくしかない」と具体的な対策を挙げ、「老人を大切にしない社会には、若者だって希望を感じないでしょうし、そうした国に未来はありません」と手厳しい。つまり、高齢社会の問題解決は、未来をどうするのかということでもある。巻頭インタビューでは、山本七平賞受賞記念としてデービッド・アトキンソン氏が「観光業の基本はトヨタにあり」として、観光を大きな産業にする方法論を議論する。新年のスタートを前向きに考える記事も多数掲載している。
2月号の総力特集は「沈む世界 浮かぶ日本」。佐藤優氏は宮家邦彦氏との対談で、ISは「ついに西側諸国に対する『世界イスラム革命戦争』を始めた」と言い切り、「日本もテロの例外ではない」と警鐘を鳴らす。一方、ロシアの思惑に対しては「アサド政権を事実上のロシアの傀儡にし、イランの影響力拡大を阻止しよう」としているのだという。宮家氏は「いまの混沌を契機に、中東にあるかつての帝国が復活してきました。イラン、トルコ、ロシアが帝国的な動きを見せている」との仮説を披露する。また、2016年のもう一つの不安要因は中国経済であろう。長谷川慶太郎氏は「中国は早急に鉄鋼業のリストラに踏み切らざるをえないが、約30万人の従業員の少なくとも3分の1のクビが飛ぶ」と予測し、日本に関しては「世界で最もゆとりのある『独り勝ちの国』になった」と分析する。もちろん、地方創生や2017年4月の消費税増税など難問も山積しているが、柳川範之氏は名目600兆円のGDP目標を達成する方法として、急成長企業をできるだけ日本から創出していくことを提案する。
第二特集は「ストップ下流老人! 華やかな終活」。ベストセラー『下流老人』における指摘は、誰にとっても他人事ではないはずだ。日本には現在、生活保護レベルの暮らしを余儀なくされている人がおよそ600万~700万人はいるという。著者の藤田孝典氏は「低所得者向けの住宅はまったく足りていないのですから、そこは政府が予算を投下していくしかない」と具体的な対策を挙げ、「老人を大切にしない社会には、若者だって希望を感じないでしょうし、そうした国に未来はありません」と手厳しい。つまり、高齢社会の問題解決は、未来をどうするのかということでもある。巻頭インタビューでは、山本七平賞受賞記念としてデービッド・アトキンソン氏が「観光業の基本はトヨタにあり」として、観光を大きな産業にする方法論を議論する。新年のスタートを前向きに考える記事も多数掲載している。
公式サイト |
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今月号の目次
巻頭インタビュー 観光業の基本はトヨタにあり |
デービッド・アトキンソン |
18p |
総力特集:沈む世界 浮かぶ日本
甦る帝国主義に備えよ |
宮家邦彦vs佐藤 優 |
34p |
人民元の国際化が中国を追い詰める |
長谷川慶太郎 |
46p |
愚かなる消費税10% |
岩本沙弓 |
54p |
急成長企業を創出せよ |
柳川範之 |
62p |
東京に本社がなくてもいい |
吉田忠裕 |
72p |
「実直経営」のすすめ |
牟田 學/牟田太陽 |
82p |
特集:ストップ下流老人! 華やかな終活
「自決」より「生活保護」を |
藤田孝典 |
92p |
50歳から考える資産形成 |
竹川美奈子 |
100p |
人生の最期が輝く死生観 |
小山明子 |
109p |
読み物・連載
テロより銃殺が怖いアメリカ |
増田悦佐 |
127p |
私は人間機雷「伏龍」の隊員だった |
早坂 隆 |
137p |
なぜ「主権者教育」が必要なのか |
篠原文也 |
145p |
「嫌老社会」に変わった韓国の苦悩 |
呉 善花 |
183p |
両手握手はみっともない |
勢古浩爾 |
190p |
特別対談 日本の心、武道の心 |
山下泰裕vs野田佳彦 |
116p |
「戦争画批判」の真実6 |
水間政憲 |
154p |
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超韓流猫コリにゃん〈第10話〉 韓国軍って…… |
室谷克実[原案]/諸星惣一郎[漫画] |
167p |
ニッポン新潮流〈国際政治〉 排日移民法の愚 |
渡辺惣樹 |
28p |
ニッポン新潮流〈経済政策〉 再増税、2014年の二の舞になるな |
飯田泰之 |
30p |
ニッポン新潮流〈生活社会〉 温暖化適応にお金をかけるべき |
山形浩生 |
32p |
しぶといやつ〈第2回〉 第一章 鎧袖一触 2 |
幸田真音 |
197p |
福島第二の奇跡〈最終回〉 復興への構想 |
高嶋哲夫 |
205p |
健康は生成する〈第11回〉 「幸福の科学」とフロー体験 |
斎藤 環 |
219p |
天あり、命あり。〈第9回〉 険しき中国への道 |
江上 剛 |
228p |
覚醒するクラシック〈第32回〉 リヒテル |
百田尚樹 |
239p |
巻頭言〈第14回〉 必然性 |
養老孟司 |
15p |
平成始末〈第74回〉 「こころ」と「心」のあいだ |
山折哲雄 |
246p |
友(アート)を訪ねて〈23〉 モーリス・ユトリロ |
文/原田マハ |
7p |
凛たる女性〈62〉 オーサ・イェークストロム |
撮影/遠藤 宏 |
9p |
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Keyフレーズ 時代を斬る!論点 |
1p |
|
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
164p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
165p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
244p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。