雑誌
Voice 2016年6月号
今月号の読みどころ
米軍は北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射の警戒に当たったり、米韓合同軍事演習も実施した。また、南シナ海では警戒監視活動を続けている。「世界の警察官」ではなくなったといわれるが、米韓同盟、日米同盟は機能しているようにみえる。しかし、北朝鮮や中国に対峙した日米韓の思惑は、足並みが揃わない。そのうえ、米国の次期大統領候補ドナルド・トランプ氏の日韓に対する「軍事費の応分の負担」発言は、両国で物議を醸している。今後、それぞれの同盟関係は良好に継続していくのか。
6月号の総力特集は「日米韓同盟の落とし穴」。中西輝政氏は、アメリカ外交は「介入」と「非介入」のあいだを振り子のように揺れてきた歴史であるとし、「同盟や国際連盟に加わって外交や軍事で世界に関わるのはわれわれの仕事(ビジネス)ではない」とのアメリカの立場を紹介する。中国のコントロールが効かない北朝鮮に対し、人民解放軍が動くと読むのが長谷川慶太郎氏。「北朝鮮を制圧する準備はすでに整っており、攻め込まれた北朝鮮は軍資に乏しい。中国へ喧嘩を売った代償は高くつく」というのだ。また、日高義樹氏は世界戦国時代の到来と日米安保条約の消滅に警鐘を鳴らす。習近平、金正恩、プーチンを「世界の三悪人」と呼び、彼らが「核の力で世界を制圧しようとしているなかで、日本は政治的にも軍事的にも孤立しつつある。その最大の原因はアメリカが戦略を変えて、日本を防衛し保護するのをやめようとしていることである」という。
第二特集は「『高齢格差』を生きる」。渡部昇一氏は「80代からの読書の楽しみ」を説き、「若いときには深刻そうに思えた問題がそうでもないと感じるのは、多少なりとも世間を知った『老人の思想』によるものだといってもいいかもしれない」と、年齢による感動の違いを強調する。テレビでお馴染みの森永卓郎氏は、自分自身の介護の経験をもとに医療と介護のシステムを見直す提言をする。いますぐ立て直す行動に出ないと、世界に誇るべき日本の医療制度が崩壊してしまうというのだ。ガン患者の急増と高騰する医療費に対し、日本の財政健全化に貢献する食事療法を説くのは、石原結實氏と中村繁夫氏の対談。こちらも医療費の削減にこそ、国家の存亡がかかっているという。
他にも「放送法論争、国民は怒っている」(潮匡人)、「『パナマ文書』で始まる金融覇権戦争」(丸谷元人)、「『とと姉ちゃん』を支えた鬼才の魔術」(柴崎信三)など、読み応えのある記事を揃えた。「平和、幸福、繁栄」の追求には、国民一人ひとりの危機感の共有が必要なのかもしれない。
6月号の総力特集は「日米韓同盟の落とし穴」。中西輝政氏は、アメリカ外交は「介入」と「非介入」のあいだを振り子のように揺れてきた歴史であるとし、「同盟や国際連盟に加わって外交や軍事で世界に関わるのはわれわれの仕事(ビジネス)ではない」とのアメリカの立場を紹介する。中国のコントロールが効かない北朝鮮に対し、人民解放軍が動くと読むのが長谷川慶太郎氏。「北朝鮮を制圧する準備はすでに整っており、攻め込まれた北朝鮮は軍資に乏しい。中国へ喧嘩を売った代償は高くつく」というのだ。また、日高義樹氏は世界戦国時代の到来と日米安保条約の消滅に警鐘を鳴らす。習近平、金正恩、プーチンを「世界の三悪人」と呼び、彼らが「核の力で世界を制圧しようとしているなかで、日本は政治的にも軍事的にも孤立しつつある。その最大の原因はアメリカが戦略を変えて、日本を防衛し保護するのをやめようとしていることである」という。
第二特集は「『高齢格差』を生きる」。渡部昇一氏は「80代からの読書の楽しみ」を説き、「若いときには深刻そうに思えた問題がそうでもないと感じるのは、多少なりとも世間を知った『老人の思想』によるものだといってもいいかもしれない」と、年齢による感動の違いを強調する。テレビでお馴染みの森永卓郎氏は、自分自身の介護の経験をもとに医療と介護のシステムを見直す提言をする。いますぐ立て直す行動に出ないと、世界に誇るべき日本の医療制度が崩壊してしまうというのだ。ガン患者の急増と高騰する医療費に対し、日本の財政健全化に貢献する食事療法を説くのは、石原結實氏と中村繁夫氏の対談。こちらも医療費の削減にこそ、国家の存亡がかかっているという。
他にも「放送法論争、国民は怒っている」(潮匡人)、「『パナマ文書』で始まる金融覇権戦争」(丸谷元人)、「『とと姉ちゃん』を支えた鬼才の魔術」(柴崎信三)など、読み応えのある記事を揃えた。「平和、幸福、繁栄」の追求には、国民一人ひとりの危機感の共有が必要なのかもしれない。
公式サイト |
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今月号の目次
巻頭インタビュー ベルギーテロの教訓 |
ジャコ・ヴァン・ドルマル/〈聞き手〉丸谷元人 |
16p |
総力特集:日米韓同盟の落とし穴
世界に介入しないアメリカ |
中西輝政 |
30p |
金王朝崩壊のカウントダウン |
長谷川慶太郎 |
44p |
レームダック化する朴大統領 |
池 東旭 |
52p |
同盟は米国製のフィクションだ |
兵頭二十八 |
60p |
軍事帝国アメリカの落日 |
増田悦佐 |
69p |
パックス・チャイナの欺瞞 |
近藤大介 |
79p |
日本は孤立し、独立する |
日高義樹 |
87p |
特集:「高齢格差」を生きる
老耄座談・八十代の読書の楽しみ |
渡部昇一 |
98p |
医療と介護は切り捨てでよいのか |
森永卓郎 |
106p |
ハングリー精神を取り戻せ |
中村繁夫/石原結實 |
112p |
読み物・連載
放送法論争、国民は怒っている |
潮 匡人 |
130p |
「とと姉ちゃん」を支えた鬼才の魔術 |
柴崎信三 |
138p |
「巨大化」「高層化」する組体操の病 |
内田 良 |
148p |
世界経済の停滞をどう読むか |
宮尾龍蔵 |
156p |
トランプのTPP論 |
浅川芳裕 |
181p |
「パナマ文書」で始まる金融覇権戦争 |
丸谷元人 |
122p |
郷土寿司を家庭でつくる |
岡田大介 |
193p |
産業を創出する農業特区の試み |
198p |
|
二次・三次喫煙の害は本当か |
清水 泰 |
204p |
「日本の翼」の真実4 |
水間政憲 |
211p |
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超韓流猫コリにゃん〈第14話〉 ギャンブル依存国家・韓国 |
室谷克実[原案]/諸星惣一郎[漫画] |
165p |
ニッポン新潮流〈国際政治〉 キツネノテブクロと日本の運命 |
渡辺惣樹 |
24p |
ニッポン新潮流〈経済政策〉 サミット前に消費税増税の凍結を |
飯田泰之 |
26p |
ニッポン新潮流〈生活社会〉 東日本大震災の教訓は熊本地震に生きている |
山形浩生 |
28p |
しぶといやつ〈第6回〉 第二章 合縁奇縁 2 |
幸田真音 |
219p |
覚醒するクラシック〈第36回〉 ヴァイオリン協奏曲 |
百田尚樹 |
227p |
巻頭言〈第18回〉 世界の変化 |
養老孟司 |
13p |
私日記〈第197回〉 ゴキブリは季語か? |
曽野綾子 |
232p |
平成始末〈第78回〉 「他者」と「相手」 |
山折哲雄 |
244p |
友(アート)を訪ねて〈27〉 レアンドロ・エルリッヒ |
文/原田マハ |
5p |
凜たる女性〈66〉 永島瑠美 |
撮影/遠藤 宏 |
7p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。