Voice
発売日
2020年8月7日
税込価格
840円
(本体価格764円)
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Voice 2020年9月号

今月号の読みどころ

歴史をみる目が歪んでいては、国家にかかわる問題では何一つとして上手く事は運ばない――。本号総力特集における中西輝政氏の言葉である。
7月以降、国内の新型コロナウイルス感染者の発表数は増加の一途を辿っているが、令和危機の只中にあるからこそ、日本の針路を考えるうえでは歴史に立ち返る意義は大きいはずだ。コロナ禍を「戦時下」と照らし合わせる向きもあるが、「戦後75年」の節目の夏、私たちは昭和史から何を学ぶべきか。冒頭の中西氏をはじめとして、大政翼賛体制下とコロナ禍に共通する「過剰同調社会」を指摘する筒井清忠氏や、『歴史の終わり』で知られる政治学者フランシス・フクヤマ氏ら8氏が論じる夏の特大号。
特別企画は「『コロナ共存』への視座」。山本太郎・長崎大学教授をはじめとした4人の識者が、感染が拡大するいまだからこそ、ウィズコロナ時代の日本に求められる視点を開陳する。
そのほか、船橋洋一氏による緊急寄稿「フクシマ、コロナ、戦後七十五年」や、日本文化研究の第一人者である松岡正剛氏への巻頭インタビュー「『日本文化』とファクターX」は必読だ。
公式サイト

今月号の目次

総力特集:令和危機に甦る昭和史
歴史観と合理主義精神に目覚める夏
中西輝政
40p
「緊急事態」で伸張するポピュリズム
筒井清忠
52p
日米「グローバル・パートナー」への軌跡
坂元一哉
60p
統帥権独立の教訓、政治主導の確立を
兼原信克
68p
国家総動員の歴史が問う「国民の自覚」
森 靖夫
76p
日本植民地支配特殊論からの脱却
木村 幹
83p
いまこそ五族協和の精神を思い出せ
片山杜秀
90p
失われた民主米国のリーダーシップ
フランシス・フクヤマ
98p
巻頭インタビュー
「日本文化」とファクターX
松岡正剛
16p
特別企画:「コロナ共存」への視座
ウイルスとの「均衡点」を探れ
山本太郎
106p
プライベートが溶ける――「リモート時代」のメディア論
大澤 聡
113p
バーチャル共感が「統治の不安」を克服する
池田謙一
120p
霞が関の矜持を保つ国会改革を
松井孝治
128p
緊急寄稿
フクシマ、コロナ、戦後七十五年
船橋洋一
136p
連載 ほか
デジタルとヒューマニティを融合させよ
高津尚志
149p
新時代ビジョン研究会
同調圧力を超えるエビデンス
宮田裕章
156p
中小企業を支え抜く使命
工藤稔
166p
なぜ日本はコロナの死者が少ないのか
リチャード・ウィルキンソン
191p
アルファに魅かれる女性のジレンマ
橘 玲
198p
賢慮の世界史〈6〉
アナーキズム対国家
佐藤 優&岡部 伸
182p
中国vs.世界〈6〉〈セントビンセント及びグレナディーン諸島〉
カリブ海に吹き荒れる「断交工作」
安田峰俊
212p
「社外取締役」から考える日本企業の未来〈終〉
次世代リーダーをいかに育むか
古田英明&古田直裕
220p
教養としての映画〈4〉
ビジネスパーソンのための現代作品鑑賞法
伊藤弘了
226p
あらゆる人間に居場所を
佐々木俊尚
204p
著者に聞く
人類が「神の領域」に敗北するとき
長沼伸一郎
234p
ニッポン新潮流〈歴史論争〉
死体検案書と政治
渡辺惣樹
30p
ニッポン新潮流〈政治外交〉
敵基地攻撃能力の実体
三浦瑠麗
32p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
娯楽としてのリーダー論の先に
開沼 博
34p
ニッポン新潮流〈日本文化〉
美術はバーチャルで充分か
舘鼻則孝
36p
西南、南西、テレビ風〈47〉
プロの経験でギリギリの答えを
結城豊弘
38p
歴史家の書棚〈3〉
小林道彦『近代日本と軍部 1868-1945』
奈良岡聰智
238p
巻頭言〈第33回〉
戦後日本の宿題シリーズ(5):霞が関改革
宮家邦彦
13p
私日記〈第248回〉
地下鉄の新駅
曽野綾子
24p
文明之虚説〈第33回〉
「防衛単純化の機制」
渡辺利夫
244p
東京の聖地〈14〉
波除神社
写真・文/岡本亮輔
1p
土木を撮る〈29〉
横浜青葉ジャンクション
写真・文/西山芳一
6p
令和の撫子〈16〉
消防士 千田亜希保
撮影/川島伸一
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

241p
Voiceレター
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。