雑誌
Voice 2021年10月号
今月号の読みどころ
9月3日、菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を表明した。今秋には衆院選も控えており、「政局の秋」の足音が大きくなっている。しかし国民の多くはそんな政治に対して、さらには自分たちが置かれている状況や社会、さらにはメディアに対して「しっくりこない感じ」、つまりは違和感を抱いているはずだ。言い知れぬ閉塞感を日本社会にもたらしているものは何か、本特集では考えた。養老孟司氏と小児科医の高橋孝雄氏の対談では、違和感に目を向けることの大切さから、子どもたちの教育に必要な観点までを縦横無尽に説く。本誌7月号『「夜の街」の憲法論』が話題を呼んだ谷口功一氏と三浦瑠麗氏の対談も実現。「社交の場」をいかに取り戻すかを徹底議論する。さらには片山杜秀氏や開沼博氏などの論稿、直木賞を受賞した佐藤究氏のインタビューも必読だ。特別企画では、中山俊宏氏ら4人の論客が9.11からの20年も紐解きながら、カブールが陥落したアフガニスタンの騒乱に迫る。そのほかにも孫泰蔵氏の巻頭インタビュー、オードリー・タン氏の特別インタビューなど豪華なラインナップとなっている。
公式サイト |
---|
今月号の目次
総力特集:日本の違和感
日常の幸せを子供に与えよ |
養老孟司&高橋孝雄 |
42p |
「共通の言語」を喪失した日本人へ |
片山杜秀 |
52p |
「建前」拡張運動の欺瞞と幼稚さ |
開沼 博 |
60p |
新たな「ニュースの生態系」の確立を |
藤代裕之 |
67p |
「ゆるふわ立憲主義」を超えて |
山羽祥貴 |
74p |
正義の「薄さ」を乗り越える賢慮 |
長友敬一 |
82p |
神なき現代の「生贄儀式」 |
佐藤 究 |
90p |
「夜の街」を見くびる政治の傲慢 |
谷口功一/三浦瑠麗 |
98p |
特別企画:アフガン騒乱、9・11後の20年
理念なき大国間競争時代の幕開け |
中山俊宏 |
108p |
「文明の衝突」の正体を見極める |
末近浩太 |
116p |
国力に見合う自衛隊改革を |
久江雅彦 |
124p |
自由主義的覇権は幻想だった |
イワン・クラステフ |
130p |
連載 ほか
巻頭インタビュー なぜアジアにベンチャー生態系が必要か |
孫 泰蔵 |
18p |
「食育」が日本の未来を築く |
山崎孝明 |
138p |
「健常者優位主義」を乗り越えられるか |
ジョージ・エストライク |
146p |
気候変動問題を読み違えた日本 |
夫馬賢治 |
154p |
日本人よ、「古典」に立ち返れ |
本村凌二 |
208p |
特別インタビュー 台湾型「熟議民主主義」の底力 |
オードリー・タン |
166p |
「次」の歴史と人類の新軌道〈10〉 イスラム史の決戦場だった微積分学 |
長沼伸一郎 |
184p |
言葉のリハビリテーション〈4〉 「理由」に先立つものへ |
森田真生 |
194p |
質的価値×日本の新時代ビジョン〈6〉 北海道・函館「てとベジ」 |
三浦裕太 |
200p |
求めるのは「説明の要らない美しさ」 |
小泉智貴 |
160p |
日本企業は「戦略的社会貢献」を急げ |
川崎貴聖 |
216p |
人間と猫の寿命はまだ延びる |
宮崎 徹 |
224p |
令和の事業家 育児市場でみる中国の加速化 |
鳥巣知得 |
232p |
ニッポン新潮流〈歴史論争〉 北斎の「波」の謎 |
渡辺惣樹 |
32p |
ニッポン新潮流〈政治外交〉 アフガンは誰の勢力圏なのか |
三浦瑠麗 |
34p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 高品質なストレートニュースの行方 |
西田亮介 |
36p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 新国立競技場の表層と深層 |
藤村龍至 |
38p |
歴史家の書棚〈16〉 笠井亮平『インパールの戦い』波多野澄雄他『決定版 大東亜戦争』 |
奈良岡聰智 |
240p |
人生の道しるべ あなたの悩みに答えます〈2〉 教会の世界に進むべきか |
森本あんり |
236p |
巻頭言〈10〉 調理こそがヒトの進化の要 |
長谷川眞理子 |
15p |
文明之虚説〈46〉 松がつなぐ明日 |
渡辺利夫 |
246p |
今そこにある近代〈12〉 適塾 |
写真・文/門井慶喜 |
1p |
Wonder People〈10〉 一人の老人が生み出した七色の村 |
写真・文/佐藤健寿 |
8p |
令和の撫子〈29〉 石川瑠華 |
撮影/川島伸一 |
11p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
242p |
|
Voiceブックス 編集者の映画三昧 |
243p |
|
Voiceブックス 読者の感想&意見 |
244p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。