Voice
発売日
2022年10月6日
税込価格
840円
(本体価格764円)
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Voice 2022年11月号

今月号の読みどころ

東アジア情勢が、緊迫化の一途を辿っている。8月2日、アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問すると、中国は1995~96年の「第三次台湾海峡危機」を上回る大規模な軍事演習を展開し、世界の目が台湾海峡に向いた。10月半ばには中国共産党大会が控えているが、はたして「台湾危機」はどこへと向かうのか。インド太平洋戦略を掲げている日本は、米中対立、そして台湾とどのように向き合うべきか。ジョセフ・ナイ氏や趙天麟氏など米台の識者や、六四天安門事件当時の学生リーダーであるウーアルカイシ氏の声もふまえて、台湾情勢の現在と本質、そして日本の使命を議論する。また、巻頭には中西輝政氏が緊急寄稿。「プーチンの終わりの始まり」が国際秩序、そして東アジア情勢に与える影響を論じる。特集2は「爆発する『生きづらさ』」。SNSの普及などで私たちの生き方が急速に変わるいま、「無敵の人」が生まれる背景など、生きづらさを抱えている人びととの向き合い方を考える。特別企画では、8月に逝去した稲盛和夫氏の経営哲学から学ぶべき点を、野中郁次郎氏と江上剛氏があらためて分析する。
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今月号の目次

巻頭論稿
「ポスト・プーチン」の世界秩序
中西輝政
16p
特集1:世界が危ぶむ台湾危機
米国が中台に効かせる「二重の抑止」
ジョセフ・ナイ
42p
私たちは断じて「台湾封鎖」を許さない
趙 天麟
52p
台湾軍との意思疎通を加速させよ
小野田治
60p
「台湾消滅」が招く現秩序の瓦解
秋田浩之
68p
迫る党大会、中国が抱える「三つの問題」
福田 円
76p
インド太平洋と台湾――許されざる戦略の空白
墓田 桂
84p
中国膨張に加担する西側諸国
ウーアルカイシ
92p
特集2:爆発する「生きづらさ」
「無敵の人」を生まない幸せのかたち
阿部真大
138p
「怒り」のシェアでつながる人びと
山口真一
146p
複雑・巧妙化する、若者の承認欲求
金間大介
154p
特別企画:いまこそ「稲盛経営哲学」に学べ
二項動態を体現した稀有な経営者
野中郁次郎
104p
グローバルに通用する「現代の渋沢栄一」
江上 剛
112p
連載 ほか
「物価高」と金融政策――日銀は「出口」を出られるか
中里 透
120p
藝大が「表現者」への先入観を変える
日比野克彦
128p
国民が財政をコントロールする時代
井手英策
204p
〈読書の愉しみ〉
本が私のなかの宇宙を広げてくれる
影山優佳
212p
地政学的要衝研究会〈10〉
欧州を巡るNATOとロシアの因縁
長島 純
162p
令和の事業家
サイボーグ技術で人間を拡張する
粕谷昌宏
226p
著者に聞く
批評は論破をめざさない
福嶋亮大
230p
コロナ下の夜の街〈9〉
浜松、「検証と反省」に思いを馳せて
谷口功一
182p
天才の光と影〈9〉
―異端のノーベル賞受賞者たち―アルベルト・アインシュタイン〈続〉
高橋昌一郎
190p
言葉のリハビリテーション〈17〉
「休み」の恵み
森田真生
198p
リーダーになるための映画〈4〉
『ハケンアニメ!』が描くリーダーの成長
伊藤弘了
218p
ニッポン新潮流〈歴史論争〉
家康の遺言〈その1〉
渡辺惣樹
30p
ニッポン新潮流〈政治外交〉
戦争をプロに任せてよいか
三浦瑠麗
32p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
置き去られる「沖縄のいま」
西田亮介
34p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
漂う大阪・関西万博
藤村龍至
36p
地域から日本を動かす〈7〉
「頑張る地域の人を応援したくて」
結城豊弘
38p
令和の人文アニメ批評〈3〉
『ONE PIECE FILM RED』
渡邉大輔
234p
歴史家の書棚〈29〉
國分良成『防衛大学校』
奈良岡聰智
238p
巻頭言〈23〉
アフリカは遅れているのか
長谷川眞理子
13p
文明之虚説〈59〉
国家の生存本能
渡辺利夫
244p
今そこにある近代〈25〉
高田降臨教会
写真・文/門井慶喜
1p
Wonder People〈23〉
東欧の基層から目覚めた「鬼」
写真・文/佐藤健寿
6p
令和の撫子〈42〉
松井玲奈 
撮影/川島伸一
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

241p
Voiceレター
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。