Voice
発売日
2023年10月6日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2023年11月号

今月号の読みどころ

今年8月、中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカ共和国の5カ国からなるBRICSが、2024年1月より拡大されることで合意しました。新たに加わるのは、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の六カ国。近年、日本でも「グローバルサウス」の躍進が語られ始めて久しいですが、新しいBRICSの11カ国を見ても、政治体制や経済の状況、歴史や文化は一国ずつ少なからぬ差があります。いわゆる新興国の最前線ではいま、何が起きているのか。その変化は、国際情勢や経済にどのような影響を及ぼすのか。グローバルサウスという「幻想」に囚われず、新興国の最前線に迫りつつ、世界の変化と日本の針路を考えます。新興国と中国に対する接し方を説く田中明彦氏の論稿や、「グローバルサウスは存在しない」と強調する「欧州の知性」ジャック・アタリ氏のインタビューなどを掲載するほか、ヤマハの中田卓也社長が新興国におけるビジネスを語ります。
第2特集は「『古い組織』がなくならない」。ビッグモーター社の不祥事やジャニーズ事務所の問題が社会を揺るがせたいま、組織の在り方を検討します。巻頭には福島第一原発処理水放出問題で語るべき本当の論点を、鈴木一人氏と開沼博氏が徹底議論。
公式サイト

今月号の目次

特集1:グローバルサウスという幻想
中国には毅然と、新興国には誠実に
田中明彦
38p
「グローバルサウス」は存在しない
ジャック・アタリ
48p
「米ドル覇権への挑戦」になり得るか
唐鎌大輔
56p
反欧米にこだわるのは中露だけ
梶谷 懐&廣瀬陽子
64p
代弁者から真の盟主をめざすインド
笠井亮平
74p
「ビジネスと人権」時代のアジアとの共創
後藤健太
82p
安定と漂流の岐路に立つ「新中東」
杉田弘毅
90p
なぜアフリカで工業化が進まないのか
福西隆弘
98p
ビジネスの鍵は「文化へのリスペクト」
中田卓也
106p
特集2:「古い組織」がなくならない
世界基準の「MVV経営」へ
岩田松雄
140p
組織はこうやって変えていける
斉藤 徹
148p
パワハラをなくせない「日本のジレンマ」
津野香奈美
156p
タンザニア人から学ぶ「多様性」の意味
小川さやか
164p
連載 ほか
日銀は「金融引き締め」に転じるか
岩田規久男
114p
音楽の「救い」が「呪縛」になる時
竹田ダニエル
122p
「お魚券」で水産業を支えよ
有路昌彦
130p
女子トップアスリートの社長論
髙田真希
200p
発達障害をめぐる誤解
岩波 明
210p
巻頭対談
原発処理水問題、棚上げのツケ
鈴木一人&開沼 博
16p
台湾有事シミュレーション〈3〉
脆弱なインフラと自衛隊の課題
峯村健司
182p
「凡夫」と認める覚悟はあるか
ひきたよしあき
192p
デビュー100年、ヒッチコック映画の真髄
瀬戸川宗太
220p
著者に聞く
本音と建前、そして無意識も認める
香川まさひと
226p
令和の事業家
「生きづらい人」に本を届ける
屋良朝哉
230p
ニッポン新潮流〈歴史論争〉
世界は腹黒い? 変な山火事
渡辺惣樹
28p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
対照的な二つの入試
西田亮介
30p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
神宮外苑にみる「みどりの力」
藤村龍至
32p
地域から日本を動かす〈19〉
旭川で出合ったこと
結城豊弘
34p
令和の人文アニメ批評〈15〉
『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』
渡邉大輔
234p
歴史家の書棚〈40〉
秦郁彦『ウクライナ戦争の軍事分析』オリガ・ホメンコ『キーウの遠い空』
奈良岡聰智
238p
巻頭言〈34〉
学校という不自然
長谷川眞理子
13p
文明之虚説〈71〉
一心不乱の帝都復興
渡辺利夫
244p
邂逅する中世と現代〈新〉
鎧と人間
作・文/野口哲哉
1p
Wonder People〈35〉
軍も市民も巻き込む全体主義の象徴
写真・文/佐藤健寿
6p
令和の撫子〈54〉
村上萌 
撮影/吉田和本
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

241p
Voiceレター
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。