Voice
発売日
2025年5月7日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2025年6月号

今月号の読みどころ

トランプ大統領が苛烈な高関税政策を打ち出し、世界に激震が走っています。同盟国・友好国も対象になり、日本もその例外ではありません。米国がグローバルに自由貿易を推進する時代は過去のものとなり、自由で開かれた貿易を基盤とする世界経済が大きな曲がり角に立っているのは間違いありません。資源エネルギーや食料を自給できず、人口も減少していく日本は、経済的に孤立しては繁栄も生存も確保しがたい一方、自由貿易やグローバル化を一本調子で擁護するだけでは世界の内向き化を乗り切ることも難しいでしょう。本特集では、トランプ政権の狙い、様変わりする日本の国際収支、新しい産業政策やエネルギー政策、対内直接投資の可能性、さらには日本経済の大宗を占める自動車産業の勝利シナリオなどを検討し、激変する国際環境と日本経済の活路を考えます。巻頭には、澤田純・NTT会長のインタビューを掲載。自国ファーストと自由貿易のいずれを選ぶべきかという二元論的な議論に警鐘を鳴らします。
第2特集は「教育現場の『光と影』」。日本の教育が進むべき方向性とより良い在り方を議論します。そのほか、トランプ政権のブレーンの一人として知られるオレン・キャス氏の講演を収録した特別企画「『労働者の党』に生まれ変わった共和党」を掲載しています。
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今月号の目次

特集1:トランプ・ショック、日本経済の勝ち筋
「開かれたジャパン・ファースト」を目指せ
吉崎達彦
38p
よみがえる「昭和16年」日米交渉の悪夢
滝田洋一
48p
サービス収支赤字10兆円時代の足音
唐鎌大輔
56p
友好国との共同研究が経済を強くする
戸堂康之
64p
対内直接投資拡大に必要な施策と変革
大槻奈那
72p
脱炭素に勝つ自動車産業「伝家の宝刀」
池田直渡
80p
現実に即したエネルギー安全保障の解
保坂 伸
92p
特集2:教育現場の「光と影」
「授業料無償化」で教育格差は縮まらない
松岡亮二
132p
働き方改革の「ジレンマ・マネジメント」
町支大祐
141p
独自路線をゆくスウェーデンの学校教育
戸野塚 厚子
149p
「多様性」の時代の女子校の意義
杉浦 由美子
157p
巻頭インタビュー
自国ファーストと自由貿易は両立できる
澤田 純
16p
特別企画
「労働者の党」に生まれ変わった共和党
オレン・キャス
102p
特別対談
精神医学と経営学が交わるとき
松本俊彦 宇田川 元一
120p
連載 ほか
民主化されていくインテリジェンス
小谷 賢 小泉 悠
112p
これからがこれまでを決める
藤原正彦
164p
日本とデンマーク、組織の違いはどこから?
針貝有佳 勅使川原 真衣
198p
考察したい若者たち〈終〉
ググるからジピるへ
三宅香帆
182p
新連載
それでも、生まれてきたことを肯定する〈1〉
虚無を哲学する
近内悠太
190p
【宗教と現代世界研究会】
プロテスタント化するラテンアメリカの内実
大久保 教宏
216p
やなせたかしが見つめた「戦争」と「正義」
梯 久美子
208p
トランプの「エンタメ的手法」の原点
瀬戸川 宗太
226p
著者に聞く
「運動部マネージャー」はやりがい搾取?
関 めぐみ
234p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
放置されてきた放送事業者の弛緩
西田亮介
26p
ニッポン新潮流〈教育企業〉
職場の「違和感」――「モームリ」活況が意味するもの
勅使川原 真衣
28p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
万博に見る空間の現在
藤村龍至
30p
ニッポン新潮流〈現代思想〉
ポッドキャスト化する政治
谷川嘉浩
32p
地域から日本を動かす〈38〉
インターナル・コミュニケーションを武器に
結城豊弘
34p
歴史家の書棚〈59〉
金山泰志『近代日本の対中国感情』島田大輔『中国専門記者の日中関係史』
奈良岡 聰智
238p
巻頭言〈15〉
二人の同僚
冨田浩司
13p
文明之虚説〈90〉
「正道」と「権道」
渡辺利夫
244p
戦跡が語る「先の大戦」〈5〉
ビアク島
写真・文/安島 太佳由
1p
里山―未来へつなげたい日本の風景〈18〉
清流の音と美しい花
写真・文/今森光彦
6p
令和の撫子〈73〉
土居明莉 Cocochii&Co.代表取締役(共同代表)
撮影/吉田和本
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

241p
Voiceレター
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。